水谷は1976 年三重県生まれ、2003 年多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修 了し、同年、「INAX ギャラリ-」にて個展開催、「キリンアートアワード」奨励賞 受賞等、好評を得ます。その後、2004 年の「国際芸術センター青森」を皮切りに、 国内外でのアーティスト・イン・レジデンスに参加、アメリカ等で作品発表を続け、 2009 年には「越後妻有アートトリエンナーレ」や「所沢ビエンナーレ〈引込線〉」 に、最近では「VOCA2010」や「3331 Arts Chiyoda グランドオープン記念展《3331 presents Tokyo》」に出品する等、活躍の場を広げています。
作品は多く、木炭によってドローイングが施され、凸凹と造形され隆起する紙が 床や壁を覆うサイトスペシフィックなものとして立ち現われます。また、並行して 作られて来た鉛筆の作品では、白い紙にごく短い線を無数に描き込み、描きこんだ 黒い線の集積のうごめきが画面を支配します。水谷はそれらを小さなユニットの集 まりとして分解可能な大作として提示したり、1 枚の大作として現前させます。
今展では彼の作品世界が、見る人のイマジネーションを喚起させる場になること を期待しつつ、皆様のご高覧を切にお願いする次第です。
作家コメント この展覧会をもって今展の会場は取り壊されるとの事。ギャラリーにはすぐに別の形での再生が待っている。既に新しい展示室建設の準備も着々と進めら れているようだ。そもそも展覧会とは一過性の出来事だが、取り壊される計画が前もって知らされた会場での展覧会は、個人的な経験として、初めての事。思えば、消失の認識は今在るという事実に場を与える。私は消失の認識により鉛筆の筆致で紙を埋め、そして紙を埋めてゆく事で消失に至る。そうして場を輝かせる事でギャラリーの再生を祝したい。 2010 年 水谷 一
作家略歴 1976 三重県生まれ 2001 多摩美術大学美術学部絵画科油画専攻卒業 2003 多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻修了
主な個展 2003 「 磁力の線画」 INAX ギャラリー2( 東京) 2005 「カロス」ギャラリーMoMo(東京) 「 エンドレス・セメタリー」 ビーマス現代美術センター:スタジオ2(オマハ、アメリカ) 2007 「証人は真実を述べる事を宣誓させられた」レッド・ミル・ギャラリー(ウ゛ァーモント、アメリカ) 2009 「事象」劇場寄井座:神山アーティスト・イン・レジデンス(徳島)
主なグループ展 2008 「所沢ビエンナーレ・プレ美術展―引込線―」西武鉄道旧所沢車両工場跡(埼玉) 2009 「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2009」越後妻有地域(新潟) 「 第1 回 所沢ビエンナーレ美術展―引込線―」西武鉄道旧所沢車両工場跡(埼玉) 2010 「 VOCA 2010」上野の森美術館(東京)、「 一枚の絵の力」island(千葉)、「 3331 Presents TOKYO : Part 1」3331 Arts Chiyoda(東京)
受賞 2001 第37 回 神奈川県美術展「特選」 2003 キリンアートアワード 2003「奨励賞」 八王子市夢美術館開館記念展 開けゴマ! Vol.2 公募展美術誕生「奨励賞」
アーティスト・イン・レジデンス 2004 国際芸術センター青森 2005 ビーマス現代美術センター(オマハ/アメリカ) 2006 ロズウェル・アーティスト・イン・レジデンス・プログラム(ロズウェル/アメリカ)、ウイジャエ・アート・スタジオ(光州・韓国) 2007 ヘッドランズ・センター(カルフォルニア/アメリカ)、アート・ジーン(バロー・イン・ファーネス/イギリス)、バーモント・スタジオセンター(バーモント/アメリカ)※ NY フリーマン財団の助成による 2009 神山アーティスト・イン・レジデンス(徳島)
※全文提供: ギャラリーモモ
会期: 2010年9月4日(土)-2010年9月25日(土)
|