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水谷一:消失
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 8月 24日

《事象》(部分)2009年|鉛筆、紙|356 × 356cm
画像提供:ギャラリーモモ|© Hajime Mizutani

水谷は1976 年三重県生まれ、2003 年多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修 了し、同年、「INAX ギャラリ-」にて個展開催、「キリンアートアワード」奨励賞 受賞等、好評を得ます。その後、2004 年の「国際芸術センター青森」を皮切りに、 国内外でのアーティスト・イン・レジデンスに参加、アメリカ等で作品発表を続け、 2009 年には「越後妻有アートトリエンナーレ」や「所沢ビエンナーレ〈引込線〉」 に、最近では「VOCA2010」や「3331 Arts Chiyoda グランドオープン記念展《3331 presents Tokyo》」に出品する等、活躍の場を広げています。

作品は多く、木炭によってドローイングが施され、凸凹と造形され隆起する紙が 床や壁を覆うサイトスペシフィックなものとして立ち現われます。また、並行して 作られて来た鉛筆の作品では、白い紙にごく短い線を無数に描き込み、描きこんだ 黒い線の集積のうごめきが画面を支配します。水谷はそれらを小さなユニットの集 まりとして分解可能な大作として提示したり、1 枚の大作として現前させます。

今展では彼の作品世界が、見る人のイマジネーションを喚起させる場になること を期待しつつ、皆様のご高覧を切にお願いする次第です。

作家コメント
この展覧会をもって今展の会場は取り壊されるとの事。ギャラリーにはすぐに別の形での再生が待っている。既に新しい展示室建設の準備も着々と進めら れているようだ。そもそも展覧会とは一過性の出来事だが、取り壊される計画が前もって知らされた会場での展覧会は、個人的な経験として、初めての事。思えば、消失の認識は今在るという事実に場を与える。私は消失の認識により鉛筆の筆致で紙を埋め、そして紙を埋めてゆく事で消失に至る。そうして場を輝かせる事でギャラリーの再生を祝したい。
2010 年 水谷 一

作家略歴
1976  三重県生まれ
2001  多摩美術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
2003  多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻修了

主な個展
2003 「 磁力の線画」 INAX ギャラリー2( 東京)
2005  「カロス」ギャラリーMoMo(東京)
「 エンドレス・セメタリー」 ビーマス現代美術センター:スタジオ2(オマハ、アメリカ)
2007  「証人は真実を述べる事を宣誓させられた」レッド・ミル・ギャラリー(ウ゛ァーモント、アメリカ)
2009  「事象」劇場寄井座:神山アーティスト・イン・レジデンス(徳島)

主なグループ展
2008  「所沢ビエンナーレ・プレ美術展―引込線―」西武鉄道旧所沢車両工場跡(埼玉)
2009  「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2009」越後妻有地域(新潟)
「 第1 回 所沢ビエンナーレ美術展―引込線―」西武鉄道旧所沢車両工場跡(埼玉)
2010 「 VOCA 2010」上野の森美術館(東京)、「 一枚の絵の力」island(千葉)、「 3331 Presents TOKYO : Part 1」3331 Arts Chiyoda(東京)

受賞
2001  第37 回 神奈川県美術展「特選」
2003  キリンアートアワード 2003「奨励賞」
八王子市夢美術館開館記念展 開けゴマ! Vol.2 公募展美術誕生「奨励賞」

アーティスト・イン・レジデンス
2004  国際芸術センター青森
2005  ビーマス現代美術センター(オマハ/アメリカ)
2006  ロズウェル・アーティスト・イン・レジデンス・プログラム(ロズウェル/アメリカ)、ウイジャエ・アート・スタジオ(光州・韓国)
2007  ヘッドランズ・センター(カルフォルニア/アメリカ)、アート・ジーン(バロー・イン・ファーネス/イギリス)、バーモント・スタジオセンター(バーモント/アメリカ)※ NY フリーマン財団の助成による
2009  神山アーティスト・イン・レジデンス(徳島)

※全文提供: ギャラリーモモ


会期: 2010年9月4日(土)-2010年9月25日(土)

最終更新 2010年 9月 04日
 

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