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大久保如彌:もういいかい? もういいよ。
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2010年 2月 19日

《ひとつになれば》2010年 | アクリル、油彩、綿布、パネル | 606 × 727mm | 画像提供:ギャラリーモモ | copyright(c) Naomi OKUBO

当ギャラリーでは2回目となる今展では新作ペインティング7点と鉛筆によるデッサン画6点による展示を予定しています。

大久保如彌は1985年生まれ現在武蔵野美術大学大学院修士課程1年在学中です。学部1 年生の2005 年にシェル美術賞展に入選、2007年にはトーキョーワンダーウォール賞を受賞、その後2008年の「トーキョーワンダーウォール都庁」での展示及び当ギャラリーでの個展で好評を博しました。 大久保作品は作家自身がポーズを撮り写真に収め、それを画面の中に再生するように作品を描きます。複数の人物が画面に登場することもありますが、描かれた人物は全て自分、リアルな描写でありながらシュールな感じが漂います。他者との繊細な関係性をテーマに作品を制作していますが、今展では、“装う”ということの意味を問い掛け、「装飾の持つ機能や意味」を考察しながら、同世代の人間関係のありようを作品化しています。大久保作品に特徴的な顔を見せず、色鮮やかな服装を身にまとう人物表現は、そうした関係性を保つ困難さを表し、“装う”ことでコミュニケーションを図ろうとするかのようです。室内や外の風景はパステルカラーを思わせる色彩感にあふれ、そこに配される人物は浮き立つような描法で強調され、時に同じ服装の同じ人物がそれぞれの姿態で配置されていて、あたかも時間の経過を示すかのようです。あふれる色彩感、“装う”という女性的な感性と時代を映しだす作品を、この機会にぜひご高覧下さい。

「装飾的なものに興味があります。特に人が装うとはどういうことなのかをいつも考えています。
様々な色や柄の服を身に着けたり、化粧をしたりすることは自分を主張することでありながら、同時に本来の自分を隠す手段であるともいえます。
そのようなことに興味を持って絵画を制作している過程で、ある部分の装飾性が始めは目立っていても、どんどん描き進めて装飾的なものが増えていくうちに、最初に目立っていたところが埋没していくような、次に描いたところと最初のところが反転していくような感覚があります。
迷彩服がカモフラージュの手段であるように、装飾をすることで隠されていく。このような装飾の持つ機能や意味について考えながら制作をしています。」
-2010 年 大久保如彌

略年譜
1985 東京都生まれ
2009 武蔵野美術大学造形学部油絵科卒業
現在、武蔵野美術大学大学院美術専攻油絵コース1年に在学中

個展
2008 「トウキョーワンダーウォール都庁2007」東京都庁第一本庁舎3F 南側空中歩廊(東京)
―― GALLERY MoMo(東京)

グループ展
2005 「シェル美術賞」代官山ヒルサイドテラス(東京)
2007 「ワンダーシード」トウキョーワンダーサイト渋谷(東京)
―― 「ときめき☆鑓水ランデヴー」鑓水青年美術館(東京)
―― 「トーキョーワンダーウォール2007」東京都現代美術館(東京)
―― 「収集癖」三番ギャラリー(東京)
2008 「Opning Exhibition」 GALLERY MoMo Ryogoku(東京)
2009 「101TOKYO Contemporary Art Fair」秋葉原UDX ビル(東京)

※全文提供: ギャラリーモモ

最終更新 2010年 4月 03日
 

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