キム・シヨン:Barricade |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 7月 28日 |
韓国人作家キム・シヨンの日本初となる個展。キム・インソン(Willing n Dealing art consulting)をゲストキュレーターに迎え、2009年に弊廊で行なわれたグループ展「Made of Layers」で好評を得ました写真による作品とそのモチーフをインスタレーションとしても展示致します。 日常空間の中に器用に並べられた不思議なオブジェをモチーフに生み出されるキム・シヨンの作品。なかでも今回の展示ではまず、写真という媒体を介して美しいモノクロの世界として提示しています。 一見静謐に見えるこの作品の中には、通路を遮り、入り口を塞ぐオブジェが“バリケード”として存在する一方、配置のバランスや物質の壊れやすさが画面内に緊迫した空気を漂わせ、心理的な意味でも壁の存在が強調されています。またこのオブジェの素材としてキムが一貫して使い続ける塩や石けんは、“浄化”や “神聖さ”の象徴としても読むことができ、このバリケードの脆さと強さの二面性を暗示します。 同時に、キッチンやリビングルームなど本来的には暖かみ、安全などを連想させる“内”なる場所を冷たく客観的に写し出すことで(実際撮影は第三者によって行なわれています)、このバリケードの感情的な側面 ー 自己防衛、孤独や疎外感、コミュニケーションの不在など ー をも浮かび上がらせています。 このように、幾層にも重なる構図の中で、日常生活に潜むナイーブな心の動きを浮き彫りにするキム・シヨンの作品群。今回のフォイル・ギャラリーでの展示では、写真作品と平行して、粉石けんで作り上げられるサイトスペシフィックなインスタレーションも展示されます。平面を飛び出し、フォイル・ギャラリーという新たなコンテクストで生み出されるとき、キムの作品は果たしてどんな変化をもって私たちにせまるのでしょうか。 キム・シヨン Kim Siyeon キム・インソン Kim Inseon ※全文提供: フォイル・ギャラリー 会期: 2010年8月20日(金)-2010年9月11日(土) |
最終更新 2010年 8月 20日 |