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山本太郎:古典 桜川/隅田川
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 4月 14日

《桜川》 2008年|紙本金地着色銀彩|66×145cm 画像提供:中京大学アートギャラリー C・スクエア

 山本さんは京都造形芸術大学在学中の1999年に「ニッポン画」を提唱、今日まで独自の絵画表現を模索しています。能楽に造詣の深い山本さんは、これまでにも現代的なテーマと能の世界とを結ぶ作品に取り組んできましたが、今回は謡曲「桜川」と「隅田川」を同時に扱うという試みに挑みました。山本さんが向かおうとしている表現の行方がどのようなものなのか、皆さまの眼でぜひお確かめください。 参考 謡曲「桜川」「隅田川」について
 「桜川」と「隅田川」はともに謡曲の物語。同じような筋立てなのに結末が違う、いわばパラレルワールドのような作品。
 どちらの物語とも、子供と離ればなれになってしまった母親が、幼子を捜してはるばる旅をしている。「桜川」では母親は日向国から常陸国、「隅田川」では都から武蔵国に旅をして、それぞれの川にたどり着く。物語の季節はどちらも春。
 「桜川」では狂女となった母親が川に散った桜の花びらを網ですくっている。その姿を見物するために地元の僧侶とお供の子供がやってくる。はたしてその子供こそが実子、桜子であった。親子は桜舞い散るなか再会を果たす。
 「隅田川」でも同じように母親は遠く隅田川までやってくる。川向こうで誰かの念仏供養をしているようなので、所の人(船頭)に訪ねると「一年前の今日、人買いに連れられて来た子供が川岸で亡くなったのでそれの供養」だという。それこそ幼い我が子であった。供養のため母親が念仏を唱えていると我が子の姿が現れる。しかしそれは抱たくても抱けない、近寄りたくても近寄れない幽霊なのであった。
  作家による作品解説
日 時:4月17日(土) 15:00~16:00、入場無料 予約不要
原智彦パフォーマンス
日時:4月17日(土) 16:15頃~、入場無料 予約不要
囃子
出演:曽和尚靖(能楽 幸流 小鼓方)×山本太郎、日時:4月18日(日) 14:30~15:30、会場:名古屋キャンパス・センタービル7階 0705教室、入場無料 予約不要
  ※全文提供: 中京大学アートギャラリー C・スクエア

最終更新 2010年 4月 12日
 

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