高嶺格:The SUPERCAPACITOR/スーパーキャパシタ |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2008年 9月 26日 |
高嶺格は、1991年京都市立芸術大学を卒業後、早くも1993年には第2回ソニーミュージック・アート・アーティスト・オーディションで特別奨励賞を受賞、1993年から97年にかけては、ダムタイプのメンバーとしても活躍しました。 その後、岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(イアマス)でメディア・アートを学び、2002年には、2 tの油粘土を使用したアイロニカルな映像インスタレーション作品「God Bless America」が第50回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際展に招待されるなど、その後も国内外から出展オファーが後を絶たない、世界が注目する現代美術作家です。 その表現は実に多岐にわたっており、インスタレーション、映像、パフォーマンスなど様々です。近年では、自らが構成/演出した舞台作品も手掛けるなど、その活動の領域を更に広げて活躍しています。 アーティストとしてのキャリアをスタートした当初から、高嶺が変わらず挑んできたのは、矛盾を抱えながらも生きる人間の生の有り様を、自らの身体性を持ち込んで再構成することで見えてくる「何か」を提示することではないでしょうか。 高嶺が今回テーマとして掲げたのは、夢の蓄電システム、電気二重層キャパシタ(スーパーキャパシタ)です。すでにアブダビ首長国では、自然エネルギーだけで電力をまかなう人工都市、“マスダール・シティ”の建設が始まるなど、脱化石燃料へ向けた動きは世界中で進行しており、そんな中、大容量蓄電を可能にするスーパーキャパシタは、エネルギー転換の鍵を握る重要な技術として注目を浴びています。耐久性のある無害で安価な蓄電装置は人類の夢でした。技術は目前にある。これが普及すれば世界は変わる。しかしここに、普及を阻害する価格の問題があります。キャパシタは高いのです。しかし原料としては極めて安価なはずのこの製品、なぜこんなに高いのでしょう? 本展では、この謎めいた蓄電システム「スーパーキャパシタ」のブランド化を試みます。普及へ向けた高嶺の取り組みにご期待ください。 ※全文提供: ARATANIURANO |
最終更新 2008年 7月 12日 |