展覧会
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執筆: カロンズネット編集3
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公開日: 2013年 11月 12日 |
GALLERY MoMo Rygoku では 12 月 7 日 ( 土 ) から 12 月 28 日(土)まで、当ギャラリーでは 4 度目の個展、阪本トクロウ展「背景」を開催いたします。 阪本トクロウは 1975 年山梨県生まれ、1999 年東京藝術大学美術学科絵画科日本画専攻卒業、最も作家本人に適した画材として選択された雲肌麻紙とアクリル絵の具 により、コンスタントに制作と発表を続けています。 近年作品は、作家が生きる日常的で身近な風景を自ら撮影した写真をもとに制作し、そこにある性質や共通性に着目して描き出すことで、描かれた風景は余分な要素を 捨象し、具象作品でありながら極めて抽象性が高いものとなっています。 それだけに特定された場所にも関わらず、どの人にも見たことのある身近な風景として印象付けられ、描かれた風景を共有し共感を抱かせることになります。それは作 家と鑑賞者が交差し、現在と過去が交差する場として、意識的に描かれています。 余分な要素を取り除いた画面は、一見伝統的な日本画を思わせフラットですが、画面と対峙するとき、そこには空気の皮膜や温度さえも感じさせ、奥行きと現実感をも たらしていることに気付かされます。それは恐らく描写される風景の手前に作者の眼差しがあり、人物が描かれないまでも、その存在を彷彿とさせるためです。 阪本作品は抽象性と現実感が矛盾なく結合し、静謐な画面と空間は禅の境地に連なるようであり、淡々と描きながら作家の思索の痕跡を見るようです。さりげない風景や 対象物が見るものと等価、または超えた存在として提示され、日本的な自然感も感じさせます。 今展では、30 点ほどの「背景」をテーマにした、より一層シンプルな作品が展示される予定です。年末のお忙しい時期ですが、皆様のご高覧お待ちしています。
[作家コメント] よく人物は描かないのか?ということを聞かれます。確かに人物は描いていないのですが、描かれたものは「人」がいる「背景」を描いているつもりです。「人」と言うのは自分自身のことでもあります。私は自分自身を描かないと決めています。 自分の周りにあるもの、自分の「背景」にあるものを描きます。 自分を掘り下げていってもなにも出てこない。ならば自分の周りを描いていけば自分の外周、シルエットが描けるのではないかというようなことを考えます。 主題のない「背景」を描くことで不在感、欠如感が生まれます。何かが足りないという状態です。中心に何もないもの、あるいは画面全体全てを覆うような、中心を失っ たもの、を描くことで「無」という状態を作り出したいと思っています。遠くを見るときのような茫洋とした視線で画面の中を漂えるものを目指しました。 2013 年 阪本トクロウ
[作家プロフィール] 阪本 トクロウ
1975 山梨県に生まれる 1999 東京芸術大学 美術学部絵画科日本画専攻卒業 2001 早見芸術学園 日本画塾卒業 [主な個展] 2006「読みかけの小説」ギャラリーゴトウ(東京)[2004年] 「クロニック ペイン」ギャラリー本城(東京) 2007「デイリーライフ」ギャラリーイノセント(山梨)[2010年] 「呼吸」GALLERY MoMo(東京) 2008「ビューティフル・ドリフター」アートフロントグラフィックス(東京) 「エンドレスホリデイ」新生堂(東京) 2009「阪本トクロウ展」松坂屋名古屋本店南館6階美術画廊(愛知) 「阪本トクロウ展」キドプレス(東京) 「共鳴」GALLERY MoMo Ryogoku ( 東京) 2010「眼差し」ギャラリー桜の木(東京・長野) 「阪本トクロウ展」シブヤ西武 8階美術画廊(東京) 「けだるき一日生きるだけ」アートフロントギャラリー(東京) 2011「交差点」GALLERY MoMo Ryogoku ( 東京) 2012「パララックス」銀座三越8階ギャラリー(東京) 「遠景」アートフロントギャラリー(東京) 「そこにある風景」ギャラリー桜の木(東京) 2013「Trace」キドプレス(東京) 「plain」ギャラリーイノセント(山梨)
[主なグループ展] 2001「第6回昭和シェル石油現代美術賞展」目黒区美術館(東京) 2002「第21回安田火災美術財団選抜奨励展」安田火災東郷青児美術館(東京) 2003「第3回夢広場はるひ絵画ビエンナーレ」はるひ美術館(愛知) 「群馬青年ビエンナーレ’03」群馬県立近代美術館(群馬) 2004「シェル美術賞2004」ヒルサイドテラス(東京) 2005「トーキョーワンダーウォール2005」東京都現代美術館(東京) 2006「第3回東山魁夷記念日経日本画大賞展」ニューオータニ美術館(東京) 2007「第3回アートジャム展-gift-」ギャラリー山口(東京) 2008「ECO×DESIGN」上海当代美術館(上海) 「新収蔵品展」山梨県立美術館(山梨) 「VOCA2008」上野の森美術館(東京) 2011「ひびきあう作品たち」山梨県立美術館(山梨) 2012「千年の回11-千住博と若き波ー」オンワードギャラリー日本橋(東京) 「新収蔵品展」山梨県立美術館 (山梨) 「0号の世界」いつき美術画廊(東京) 「空会」画廊くにまつ(東京) 「「広重の旅‐日常の中の遠い場所‐」」蔦屋書店/代官山(東京) 「小さい画」ギャラリー桜の木(東京) 「Art award next Ⅱ」青年会賞/東京美術倶楽部(東京) 「PENTAGRAM」いつき美術画廊(東京) 「転々と tentent」ギャラリーカフェニモード(東京) 2013「landscape」Shinseido Tokyoberlinartbox / (ベルリン) 「空会」画廊くにまつ(東京) 「Un - Natural Constellations」Newman Popiashvili Gallery / ニューヨーク) 「0号の世界-summer-」いつき美術画廊(東京) パブリックコレクション 山梨県立美術館
全文提供:ギャラリーモモ両国
会期:2013年12月7日(土)~2013年12月28日(土) 時間:11:00 - 19:00 休日:日・月曜、祝日 会場:ギャラリーモモ両国
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最終更新 2013年 12月 07日 |