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大谷有花:対話の記憶
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 9月 14日

《「対話の記憶」のためのドローイング (1)》2011年| アクリル、水彩、紙|255 x 360mm | 画像提供:ギャラリーモモ | Copyright© Yuka Ohtani

大谷有花は1977年神奈川県生まれ、2003年多摩美術大学大学院修了。同年に開催されたVOCA展では奨励賞を受賞し、高い評価を受けました。その後は、各地の美術館やギャラリーで精力的に制作・発表を行い、2010年には毎日新聞社主催「第二回絹谷幸二賞」を受賞、その活躍はとどまるところを知りません。

当ギャラリーでの個展は2年ぶり7回目になりますが、大学卒業後としては初のインスタレーションによる展示に挑戦します。

壁面には「ピクニック」シリーズの大作を配し、床面には「ウサギねず みの対話」で交わされたひとつひとつの対話を象徴するたくさんのドライフラワーを配置する予定、花々が咲き乱れる森を想像することが出来ますが、耳を澄ませば、小さな対話の数々を聞くことが出来るかも知れません。

新たなチャレンジとなる今展で、大谷有花の世界を体感していただければさいわいです。なお、今展の展示プランを描いたドローイングなどの展示も予定しています。

学生時代、絵画による作品表現に行き詰まりを感じていた時期、インスタレーションという美術表現に興味を持ち、インスタレーション作品を数多く制作していました。しかし、そのうちに、もっと多くの人に作品を観てもらいたいという表現者としての本能的な欲求と、ある特定の場所で展示し、その場に足を運んで観てもらう必要があるインスタレーションという表現手段の間にズレを感じるようになりました。<その場>に多くの人に来てもらうことが難しいなら、多くの人がいるところに、<その場>を持ち運べるようにすればいいという発想から、2000 年に制作したのが、「トラ・オリ・キミドリの部屋」という作品です。

これは、<その場>である「キミドリの部屋」の前に、細い針金でできたヨレヨレの檻の中にいる紙粘土でできたトラのオブジェを配置した作品で、絵画とオブジェの組み合わせによる複合型の作品です。この作品の制作が発端となり、再び絵画という表現手段に大きな可能性を感じ、以降、本格的に絵画表現の本質を追究する道を歩むことになりました。

今展の展覧会タイトルは、「対話の記憶」としました。これまでも「ウサギねずみの対話」シリーズなどで、対話をテーマとした作品を数多く制作してきましたが、この度の東日本大震災を機に、対話の必要性や重要性を改めて認識することとなり、今年9 月には横浜高島屋で、「それぞれの対話から生まれるストーリー」というタイトルの絵画展を開催しました。今回、ギャラリー側からのご提案もあり、本当に久しぶりにインスタレーション作品を発表する機会を得、絵画作品である「ウサギねずみの対話」の舞台をGALLERY MoMo Ryogoku の空間に再現してみようと考えました。これは、インスタレーションと絵画の融合というと少し大袈裟ですが、「体験する絵画」というべき作品だと思っています。ぜひ、GALLERY MoMo Ryogoku で、「ウサギねずみの対話」のステージをご体験下さい。

大谷有花
1977  神奈川県相模原市に生まれる
2001  多摩美術大学(美術学部絵画学科油画専攻) 卒業
2003  多摩美術大学大学院(美術研究科絵画専攻) 修了

個 展
2001  ギャラリー手 (東京)
2002  カサハラ画廊(東京)
2003  府中市美術館/ 市民ギャラリー(東京) 「公開制作17」の関連企画
2004  GALLERY MoMo [05', 06', 07', 08' 09'](東京)
ギャラリーほそかわ(大阪)
2005  工房IKUKO(岡山)
2007  第一生命ギャラリー(東京)
2008  高橋コレクション(東京)
2009  第一生命ギャラリー(東京)
2011  高島屋横浜店 美術画廊(神奈川)

主なグループ展
2001 「第6 回 昭和シェル石油現代美術賞展」 目黒区美術館区民ギャラリー (東京)
2003 「VOCA2003」 上野の森美術館 (東京)
2004 「日常の変貌」 群馬県立近代美術館 (群馬)
「四批評の交差-いま、現代美術を問う」 多摩美術大学美術館 (東京)
「日本現代美術特別展」 KIAF 2004 韓国国際アートフェア( 韓国・ソウル)
「VOCA 1994 - 2003 10 年の受賞作品展」 大原美術館 (倉敷)
2005 「第一生命ギャラリー所蔵作品展」  第一生命ギャラリー (東京)
「ふなばし現代美術交流展 ’ 05 物語が生まれる所」  船橋市民ギャラリー (千葉)
2005 - 2006「絵画の行方」 府中市美術館 (東京・府中)
「VOCA 展に映し出された現代」 宇都宮美術館 (栃木・宇都宮)
2007 「大谷有花×川田祐子 2 人展」 相模原市民ギャラリー (神奈川・相模原)
2007 - 2008「Opening up New Horizons : Japanese Contemporary Painting」 PYO BEIJING( 中国・北京)
2009-2010「美の予感2010 - 新たなる平面のカオスへ-」 高島屋 美術画廊 (東京・大阪他)
2010 「3331 Presents TOKYO : Part 1」3331 Arts Chiyoda(東京)
「Artistic Christmas vol. IV」新宿高島屋 美術画廊( 東京・新宿)

受賞
2001 「第6 回 昭和シェル石油現代美術賞展」本江邦夫審査員賞 受賞
2003 「VOCA2003」VOCA 奨励賞受賞
2010 「第2 回 絹谷幸二賞」絹谷幸二賞受賞

全文提供: ギャラリーモモ


会期: 2011年10月8日(土)~2011年11月5日(土)
会場: ギャラリーモモ両国
オープニングレセプション: 2011年10月8日(土)18:00~20:00

最終更新 2011年 10月 08日
 

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