展覧会
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執筆: 記事中参照
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公開日: 2011年 7月 23日 |
阪本トクロウは1975 年山梨県生まれ、1999 年東京藝術大学美術学科絵画科日本画専攻卒業、作家本人に適した画材として選択された麻紙とアクリル絵の具により、作家が生きる日常的で身近な風景を必要最小限の要素で構成し、描き出します。
描かれた風景は余分な要素を捨象し、具象作品でありながら、どの人にも見たことのある風景として印象付けられ、その風景を共有し共感を抱かせます。描かれる風景に人物は登場せず、物としての風景が描かれるばかりですが、そこに見られる作家の眼差しは深く、抽象性が高いにも関わらず、それぞれの物の持つ息遣いさえ感じさせられ、そこに描かれない人の気配を読み取ることができるほどです。
作品には静謐な空気感が漂い、時として描かれる広い空間は何もないが故に多くを語り、無の境地に至る作家の思索の痕跡が画面に込められているかのように、存在の根源に迫る内容を持っていると感じられることもあります。作家は、作品が見る人の記憶にある風景と交差するように描かれていると語っていますが、ギャラリーの場がその作品を通して、作家と鑑賞者との交差点になることを願っています。今展でも大作を中心に20 点前後の構成による展示を予定しています。
目の前にある作品を眺めながらそこに鑑賞者が今まで見てきた記憶の中にある風景と交差するようなものになるように作っています。 過去と現在が交差する地点。私が生きてきて得た情報と他者が生きてきて得た情報は違いますが、その関係性を考え理解し、見えないものを視覚化できたら良いと思っています。 構造を見るということと物事の関係性を見るということといえます。 作品は具象的なものになっていますが、ある性質、共通性、に着目しそれを描きだすということから抽象的なものにもなっています。 -2011年 阪本トクロウ
阪本トクロウ [ 主な個展] 2001 ギャラリー山口( 東京)[ 2002年、2003年、2005年] 2002 銀座スルガ台画廊( 東京)、新生堂( 東京) 2005 appel( 東京) 2006 「読みかけの小説」ギャラリーゴトウ( 東京)[ 2004年] 「クロニック ペイン」ギャラリー本城( 東京) 2007 「デイリーライフ」ギャラリーイノセント( 山梨)[2010 年] 「呼吸」GALLERY MoMo( 東京) 2008 「ビューティフル・ドリフター」アートフロントグラフィックス( 東京) 「エンドレスホリデイ」新生堂( 東京) 2009 「阪本トクロウ展」松坂屋名古屋本店南館6 階美術画廊(愛知) 「阪本トクロウ展」キドプレス(東京) 「共鳴」GALLERY MoMo Ryogoku ( 東京) 2010 「眼差し」ギャラリー桜の木(東京・長野) 「阪本トクロウ展」シブヤ西武 8 階美術画廊( 東京) 「けだるき一日生きるだけ」アートフロントギャラリー(東京)
[ 主なグループ展] 2001 「第6 回昭和シェル石油現代美術賞展」目黒区美術館( 東京) 2002 「第21 回安田火災美術財団選抜奨励展」安田火災東郷青児美術館( 東京) 2003 「第3 回夢広場はるひ絵画ビエンナーレ」はるひ美術館(愛知) 「群馬青年ビエンナーレ’ 03」群馬県立近代美術館(群馬) 2004 「シェル美術賞2004」ヒルサイドテラス( 東京) 2005 「トーキョーワンダーウォール2005」東京都現代美術館( 東京) 2006 「第3 回東山魁夷記念日経日本画大賞展」ニューオータニ美術館( 東京) 2007 「第3 回アートジャム展-gift-」ギャラリー山口( 東京) 2008 「ECO × DESIGN」上海当代美術館(上海) 「新収蔵品展」山梨県立美術館(山梨) 「VOCA2008」上野の森美術館( 東京) 2011 「ひびきあう作品たち」山梨県立美術館 (山梨) 「再生‐ regenerate-」GALLERY MoMo Ryogoku(東京) パブリックコレクション:山梨県立美術館
全文提供: ギャラリーモモ
会期: 2011年9月3日(土)-2011年10月1日(土) 会場: ギャラリーモモ両国 オープニングレセプション: 2011年9月3日(土)18:00 - 20:00
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最終更新 2011年 9月 03日 |