若手作家連続企画Vol.5:鈴木祥充 展 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 7月 02日 |
今回、ある廃墟をモチーフに作品を一つ描いた。 鈴木祥充 Suzuki Yoshimitsu 全文提供: ギャラリー恵風 会期: 2011年7月5日(火)-2011年7月17日(日) |
最終更新 2011年 7月 05日 |
今年1月に大阪・2kw galleryで個展を開催した鈴木祥充の2回目の個展。カラフルなサテン地にシャンデリアやバイク、メリーゴーランドなどが点描によって描かれた作品が並んだ前回展から一転、今展ではモノクロームの地に植物や廃墟の光景が描かれる。
なかでも黒い画面に花びらや植物が同系色で描かれる絵画は、暗闇のなかから浮かび上がるような存在感がある。離れて見ると黒い画面にしか見えないが、近づくとイメージが形成される絵画面は、鑑賞者の眼の介在によってこそ成立する作品だろう。
ドットや点描を用いた絵画表現の系譜はスーラやリキテンシュタインなどが想起されるが、鈴木の絵画はドットの集積がイメージを立ち上げる淡い境界域を描き出す試みとして注目したい。