中西夏之:背・円 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2009年 4月 14日 |
中西夏之は1935年東京生まれ。東京藝術大学美術学部油画科卒業後、1963年に高松次郎、赤瀬川原平らと前衛芸術グループ「ハイレッド・センター」を作り、日本の前衛表現をリードした初期の活動については改めて言うまでもありません。その後60年代後半から制作の中心となった「絵画」の仕事でも独創的な表現をし続けてきた、日本の現代美術界を代表する作家の一人です。 また、2008年に開催された横浜トリエンナーレで発表したインスタレーションが、多くの観客に驚きを持って受け入れられ、高く評価されたことは記憶に新しいことでしょう。 本展は鮮烈な強さに満ちた近作の大型ペインティングを中心に、小作品も含め全て未発表の作品で構成。2004年に開催されたSCAI THE BATHHOUSEでの個展から、最新作に至るまでの軌跡が再確認される内容となっています。中西夏之の描く抽象絵画は、現実空間と絵画空間との緊張関係を主題にした思考性の強い作品です。日々進行していく思索がキャンバス上へ反映されているといえ、それらの絵画は並べ置かれることによって、互いが連鎖しあっていることや徐々に変化していることが読みとれます。 今回展示される作品群からは特に、画面の中に円が現れたり消えたりする様子から作家の思考の変化がうかがえ、詩のような展覧会タイトル「背・円」が非常に興味深く響いてきます。 ※全文提供: SCAI THE BATHHOUSE |
最終更新 2009年 4月 17日 |