谷村彩 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2009年 4月 08日 |
≪まくら2≫2009年 | pencil, Japanese paper 67x92cm | photo: Shinya Aota | copyright(c) Aya TANIMURA | Courtesy of Yuka Sasahara Gallery 谷村彩(1983年生まれ)は、主に木彫の作品と、鉛筆によるドローイング作品を制作しています。 木の枝の皮を剥いだ白木に三つ編みが彫られた木彫の作品は、人の手が触れた時に白木と同化するのをイメージしています。やがて木の枝は時間が経つにつれ黒ずみ、人の肌の色から髪の毛のような色へと変化していきます。この作品は素材である「木」とモチーフの「三つ編み」、それら作品に触れる谷村自身、それぞれの持つ時間の流れを合わせられているのです。和紙や雁皮紙に鉛筆で描かれるドローイングは、髪の毛の固まりが束ねられ、編み込まれながらうねうねと増殖しているように見えます。谷村の作品に繰り返し登場する髪の毛や三つ編みは、谷村の時間についての思いや考えや感覚を表現しており、「瞬間」に生じるものと「時間の蓄積」によって生じるものの双方を敏感に感じ取りながら、作品へと反映させています。時間の経過によって得られる木の色の変化や、瞬間的に形が生み出されてゆくドローイング作品などが、谷村が意図しない幻想的なものとなることがあっても、それらは谷村にとっては必然としてとらえられているのです。 1月に行われたArt@Agnesでも好評だった、谷村彩の初個展を是非ご高覧ください。 ※全文提供: ユカ ササハラギャラリー |
最終更新 2009年 5月 16日 |