TRANS COMPLEX - 情報技術時代の絵画:彦坂敏昭・村山悟郎 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 12月 10日 |
「TRANS COMPLEX - 情報技術時代の絵画」はアーティストの村山悟郎が自ら企画した展覧会です。「絵画の現在形」をテーマに、彦坂敏昭と村山悟郎がそれぞれ新作絵画を発表するグループ展を開催します。 複雑系科学や人工生命研究などの新しい現代科学思想に色濃く影響を受けた二人のアーティストが提示する「絵画の現在形」は、アートマーケットに支えられて具象絵画が興隆する今の日本のアートシーンにおいて、それらとは異る、またかつての「抽象」よりも高次の、「具体的な抽象性」を持つ絵画として登場します。 2010 年6月20日に京都芸術センターで開催された展覧会企画公募の公開審査「展覧会ドラフト2011」<審査員:長谷川祐子(東京都現代美術館チーフキュレーター)平芳幸浩(京都工芸繊維大学美術工芸資料館准教授)>において、審査員の二氏によって100 件の企画応募の中から選出され、京都芸術センターでの展覧会開催が決定致しました。AISHO MIURA ARTS(東京、曙橋)にもこの展覧会企画にご賛同頂き、2011 年2月に京都、4月には東京に巡回して本展を開催致します。 展覧会概要「絵画の現在形」 現代は、そこに居ながらにしてあらゆる物や情報を手にすることの出来る高度に情報化された社会です。 そこではもはや芸術において、素材の意味的選択は大きな価値を持ち得ず、それらを如何に組み合わせる かという「関係付けの論理」が改めて問われることになります。 1980 年代後半からコンピュータの情報処理の高速化とともに起こった複雑系科学や人工生命といった研究 領域はそういった意味で私達にとって示唆的でした。それらは相互作用を含む複雑なシステム、自己組織化、 カオスなど、新たな関係の論理を提示していったからです。そして複雑系の理論は、要素間の相互作用の 結果が全体として予想しないような機能、構造、振る舞いを示すという「創発現象」のような創造的事態 まで見いだしてきました。 本展覧会に出展する彦坂敏昭と村山悟郎はいずれもこうした研究領域に強い影響を受け、それぞれの制作を 構成しているアーティストです。 二人は1983 年の同年生まれで、異なる出自を持ちながら、その制作には相同性を見いだすことが出来ます。 それは、それぞれの制作において「システム」や「ルール」といった「関係付けの論理」を積極的に内在させ て創造性を獲得しようという志向にあります。これを私達は情報技術時代の同時代性と見ているのです。 それぞれの「システム」や「ルール」という概念への解釈は異なりますが、それらを抱えることで現れる像 とその創造的事態に可能性を見いだしていることに、希有な一致を見ます。 私達はこれら二つの絵画を同時多発的に対置し、同時代性を表出させ、情報技術時代の絵画の現在形とその 創造性を提示したいと考えています。 彦坂敏昭 HICOSAKA, Toshiaki 1983 年 愛知県生まれ 村山悟郎 MURAYAMA, Goro 1983 年 東京生まれ 関連企画 「アートとサイエンスについてのレクチャー」 会期: 2011年2月5日(土)-2011年2月27日(日) |
最終更新 2011年 2月 05日 |