展覧会
|
執筆: カロンズネット編集3
|
公開日: 2014年 3月 06日 |
この度、NANZUKAは谷口真人の新作個展を開催致します。
谷口真人は、1982年東京都生まれ、東京藝術大学 大学院美術研究科 先端芸術表現専攻を修了し、これまで2007年「アートアワード東京」、2009年「neoneo 展part1[男子]」(高橋コレクション日比谷、東京)、2012年「Daughters of the Lonesome Isle展」(sprout curation、東京)、2012年個展「あのこのいる場所をさがして(2005-)」(SUNDAY、東京)などの展覧会に参加してきました。
谷口が描く作品は、漫画やアニメーション、アイドルなどキャラクター化された日本の少女像が基になっています。こうした少女像は、谷口が少年期を過ごした80年代から脈々と受け継がれ、流通や消費に由来する記号化された造形として培養を繰り返しながらも、生々しい存在感を感じさせるイメージとして、現代の日本社会の中では一般的な存在として認知されています。谷口は、こうしたイメージとの対話を繰り返しながら、「思い入れ」や「感情移入」によって生まれる現実存在と、絵を描く行為の関係性について、考察を続けてきました。
谷口のアクリル板と鏡を利用した絵画は、こうした研究の成果を結実させた秀作です。鏡に映るイメージとアクリル板上に置かれた絵具は、そのまま作家が感じている認識と実存との距離を表します。鏡に映る少女像は作品の正面からは認識することができません。また、溶け出してしまったかのようにデフォルメされた手前の絵具を抜きには存在する事ができません。私たちは、この作品を前にして、鏡の世界に住む少女にはこれ以上永遠に近づけないことに気付くでしょう。しかし、同時に鏡の少女が鑑賞者との対話にとって永遠に存在し続けることにも気付くのです。それは、儚くも、叙情的で甘美な終わりの無い旅のようであり、作家が繰り返す永遠の問いなのです。
谷口は、自らの作品について、次のように語っています。 「私たちが存在すると感じる全てのものは、見て、存在すると感じた瞬間に、“イメージ”になる。それは記憶や印象、ビジュアルという意味でのイメージなどが混ざったような自分にしかわからないもの。それが確かにあることを確認しようと、絵を描いたり物をつくったりしてなんとか目の前にあらわそうとする。そのように目には見えないけど確かにある内なる”イメージ”を描こうとする時、その存在の儚さやまぶしさが沸き上がってきて、自らの生命観や”存在する”ということについて思いを至らせる。」
本展は、当ギャラリーにおける谷口のデビュー個展となります。 2014年3月1日18:00~アーティストを囲んで、オープニングレセプションを開催致します。 本展を皆様にご高覧頂ければ幸いです。
全文提供:NANZUKA
会期:2014年3月1日(土)~2014年3月29日(土) 時間:11:00 - 19:00 休日:日・月 会場:NANZUKA
|
最終更新 2014年 3月 01日 |