ルイス・ルブルジョワ:Distant Vision |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 7月 23日 |
《River Run #395》2009年 | 30.5 x 30.5cm | oil on panel | 画像提供:メグミオギタギャラリー | Copyright© Louise LeBourgeois ニューオリンズ出身のルイス・ルブルジョワは様々な場所に移り住んだ少女時代の記憶と、まだ訪れたことのない場所への憧憬から、空・海・水平線が織りなす風景を描きます。 『大きな球体であるこの惑星に住む者にとって、水平線は矛盾に満ちたユーモラスな現象であると同時に、永遠に辿り着くことのない地点として想い焦がれる存在だ。目には映るが、実体のない水平線は、私達の想像力が続く限り緩やかな曲線を描き続け、更なる風景を作り出す。』 ルイスの作品に描かれた、薄暗く立ちこめる雲がその上空に輝く光を思わせ、彼方の月面が足下に広がる地球の大地を感じさせるように、そのイメージはそこに描かれていないものを鮮やかに想起させます。それは水平線のようにとらえどころがなく、あるものとないものが曖昧に同居する現実の姿でもあります。 今展では30センチ四方の正方形のキャンバスに、月、風景、空、海を描いた6点を中心に展示いたします。気韻生動を感じさせる東洋的精神にも通じる表現と、蒔絵の箱のように艶やかな仕上げによって作られたルイスの絵画は、イメージの域を超え、その”もの”自体に小宇宙を孕んでいる四次元的な存在として現れます。 ドラマチックな自然が織りなす一瞬の情景に、永遠のイマジネーションの世界を封じ込めた作品は、オーソドックスでありながら新しい絵画の可能性を感じさせます。どうぞご期待下さい。 全文提供: メグミオギタギャラリー 会期: 2011年9月13日(火)-2011年10月8日(土) |
最終更新 2011年 9月 13日 |