土田俊介:考えても作れないんだけど、考えていないと出会えないモノ。 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 3月 20日 |
第16回五島記念文化賞美術新人賞を受賞し、アメリカ滞在研修を経て、今注目を集める若手彫刻家・土田俊介の個展。 土田俊介は近年、人工の皮膚やスパンコール布、スポンジといった特徴的な素材を、鉄の檻の中に押し込んだ作品を制作しています。それは残虐でおぞましく見えたかと思うと、かわいらしく愛おしく見えたり、マッチョな古典彫刻のように見えたかと思うと、軽やかでポップな現代美術のように見えたり、不思議な感覚を我々に与えます。まるでやっと捕まえた答えが、捕まえたと思った途端に指の間をすり抜け逃げ去り、そうしている間に目の前を新たな答えが飛んでいく、そんな風景を見たかのようなこの感覚は、鑑賞の循環構造によるものです。彼はこの構造を《ファニー》と呼び、作品に好んで用います。 土田は言います。ファニー作品は「考えても作れないんだけど、考えていないと出会えない」と。ひょっとするとその作品は、作者や創造というもののあり方を問う試みなのかもしれません。ファニーな感性と知的なアプローチによって作り出される土田俊介の彫刻を是非ご高覧ください。 イベント 札幌開催 ※全文提供: CAI現代芸術研究所 会期: 2011年3月16日(水)-2011年3月30日(水) |
最終更新 2011年 3月 16日 |