山本聖子:画廊からの発言―新世代への視点2010 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2010年 7月 26日 |
銀座の11画廊が集まり若手作家を企画する「新世代への視点」展。その11回目となる今回は「山本聖子展」を開催いたします。 本展覧会は新聞の広告の物件間取図を使ったインスタレーションです。 線をくり貫いてカットし縦横に繋げて、画廊内部に展開していきます。線と映し出された影が、間取りとは別の風景を映し出します。 日常が便利で、快適で、何不自由無い生活へと突き進むその一方、かおのみえない活字だけの会話や実体不明な食物が、身体を喪失させ、存在を曖昧にする。作品の素材となる住宅物件の間取図は本来、個人や家族が過去/未来に暮らす場所の「単位」ですが、線に沿って切り抜かれ、無数に繋げられていくと、間取りとしての情報は失い、薄く均質化したけむりのように実体の無い風景へと変貌する。 その空虚な場所の風景が、日常の不明瞭さとシンクロします。 作家コメント それを切り抜き情報をも削ぎ落とす行為は、影を生み、光を知らせ、そこに満ちる何ものかの存在を証明する。 日本固有の文化には、実体を明らかにすることではなく、気配を感じ、察することが求められる。 在るのは、うつわ状の空白である。
山本聖子 ※全文提供: コバヤシ画廊 会期: 2010年7月26日(月)-2010年8月7日(土) |
最終更新 2010年 7月 26日 |