モチーフに実物を用いている頃の作品。斜め縦列ごとに、りんごをむく前のりんごから、皮がむける過程(時間の経過)、皮をむき終わった状態※1に並べた構図を取っている。整然と並べられた中でのりんご個々の小さな違いは、ある時間の流れを一面に凝縮しているかのようである。一方で、カンバスを鳥瞰してみると、個々のりんごは列を形成するだけの単なる点となり、固有のテーマを持たない、より抽象的な模様となる。こうした、個あるいは群集の中の一つとして見た時のモチーフの2面性は、その後の山田作品にも共通してみられる特徴である。
※1 画廊翠巒 梅津社長提供による情報
作家コメント: 100点目の作品ということで気合いを入れてつくりました。正確には何点も同時に手がけていて、この作品が良くなりそうなことが分かっていたので、100点目にしました。この頃は、李禹煥の最小限の仕事で絵画が成立している作品に興味がありました。このリンゴの剥かれた皮がのびたりしているのは、李禹煥の『線より』シリーズの、引かれた線がかすれていく様から思いついた部分もあります。(情報提供: 画廊翠巒)
| アーティスト | 山田純嗣 | ||
|---|---|---|---|
| 制作年 | 1999年 | 所蔵 | 個人蔵 |
| 種類 | 版画 | 材質 | インタリオ オン フォト |
| サイズ | 91×200 | ||
| 特記事項 | ed. 1、パネル四枚組 | ||