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桑山忠明:静けさのなかから

公開:2010年12月09日

会期:2010年4月24日~5月30日 会場:名古屋市美術館
桑山忠明の絵画は、私たちのまなざしを、「見る」という行為そのものが生起する場へと向けさせる。例えば《無題》(カンヴァスにアクリル、1966年)は、メタリックカラーに塗られた四分割のパネルを接合した作品である。

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大野綾子 展「ON」

公開:2010年11月26日

大野綾子の彫刻を楽しむには、時間をかけるべきだ。展覧会場に何日も居なくてはいけない、ということではない。作品を観た後に、その細部を一回忘れるような長い時間が必要なのだ。今回書くレビューは、半年前に開かれた展覧会のものである(2010年4月5~17日 秋山画廊にて開催)。

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THE BARGAIN ~俺たちは絵を売りたいんだ~

公開:2010年10月22日

2010年8月19日に開催された渋谷HMV閉店イベントに臨時出演する際立ち上げられたグループ、全日本ポスト・サブカルチャー連合(大橋裕之、小田島等、箕浦建太郎)が、今度は東神田・CULTIVATEにて展覧会を開催(2010年10月9日~11月7日)。

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浅田政志:Tsu Family Land

公開:2010年09月14日

『浅田家』で第34回木村伊兵衛写真賞を受賞した写真家・浅田政志の展覧会が郷里の三重県立美術館において「Tsu Family Land 浅田政志写真展」として開催された(2010年4月17日~5月30日)。

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中西信洋:Interference

公開:2010年07月15日

会期:2010年5月22日~6月19日   会場:ギャラリーノマル
現在、スイスでも個展を開催中の中西信洋による新作個展。ギャラリーに入ると、円環状にフィルムが回転するインスタレーション7点が空間全体に展開されている。

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死なないための葬送-荒川修作初期作品展 

公開:2010年07月06日

会期:2010年4月17日~6月27日  会場:国立国際美術館
人間に避けられず起こる天命=死を否定し、常識に捉われないスケールで思想を展開し、実践し続けた荒川修作の展覧会。

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宮永亮:地の灯について

公開:2010年06月29日

会期:2010年04月03日~2010年05月08日  会場:児玉画廊 | 東京
宮永亮の新作インスタレーション《地の灯について》は、旧作《Wondina》の極めて端正な作り に比べれば、実験回路を思わせる危うさと魅力を湛えている。

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苅谷昌江:Twins in the labyrinth

公開:2010年06月17日

会期:2010年4月23日~2010年5月22日 会場:ギャラリー・テラ・トーキョー
苅谷の絵画に描かれるペアの動物たちは、場違いな空間に寄り添うように描かれることで、「双子」で あることの特殊さを引き受けようとしているようだ。

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青秀祐:PAX-4

公開:2010年06月08日

会期:2010年2月20日~2010年3月27日  会場:eitoeiko
多くのアーティストたちによる「飛行」装置の制作・表象とは、青秀祐による「飛行機」PAX-4は形状や素材を異にする。

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中ザワヒデキ:「芸術特許」書籍刊行記念展

公開:2010年05月24日

会期:2010年3月14日~2010年4月11日  会場:3331 Arts Chiyoda
美術家中ザワヒデキの3Dソフト「デジタルネンド」発案取得から売却までの全記録が『芸術特許』として書籍化・刊行され、出版を記念した展覧会。

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小谷忠典監督作品『LINE』

公開:2010年05月17日

会期:2010年5月22日~2010年6月18日 会場:ポレポレ東中野
小谷忠典監督のドキュメンタリー作品『LINE』(2008年)は、避けていたものを直視するために人生を一旦停止するが如く、二つの「父」に向き合った作品だ。

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吉川陽一郎:ながめとまなざし- 眺望/視

公開:2010年05月10日

会期:2010年3月6日~2010年3月28日  会場:プラザ・ギャラリー
私達は、新しいものに餓えている。既視感に耐えられず、テレビや雑誌や新聞、インターネットで観られるものを次々と消費していく。吉川陽一郎による新作展レビュー。

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マイ・フェイバリット--とある美術の検索目録/所蔵作品から

公開:2010年04月29日

会期:2010年3月24日~2010年5月5日 会場:京都国立近代美術館
予め用意した分類表にどうしても当てはまらない何かが現れた時、あなたはどうするだろうか。それがある一定の量を形成するようならば、そのために新しい分類を用意するかもしれない。

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MOTアニュアル2010:装飾

公開:2010年03月15日

会期:2010年02月06日~2010年04月11日 会場:東京都現代美術館
「これは「装飾」なのだろうか」と問うとき、問われているのは私たちの装飾観なのかもしれない。20世紀モダニズムにおいて軽視されてきた「装飾」を新たな視点から提示した本展を三つの視点から考察するレビュー。

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ラブラブショー

公開:2010年03月01日

会期:2009年12月12日~2010年02月14日 会場:青森県立美術館
美術館を「出会い」の場として立ち上げようとする目論見から垣間見えるものは一体何だろうか。それは、美術館という制度そのものに対する問題-つまり「美術館は何を展示するのか」ではなく・・・

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束芋:断面の世代

公開:2010年02月09日

【Re:view】 2011年に開催される第54回ヴェネチア・ビエンナーレ美術展への出品が決定した束芋の、関西では7年ぶりとなる個展が国立国際美術館にて開催されている。ここで先に関東で開催された横浜美術館での展示を振り返りたい。

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THE LIBRARY+この場所で

公開:2010年02月04日

会期:2009年10月24日~2009年12月20日 会場:静岡アートギャラリー
携帯電話にノートパソコン、携帯型ゲーム機などポータブルで便利なものは私たちの身の回りに溢れている。けれども「ポータブル」なものを考えたとき、その代表は「本」ではあるまいか。

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シンチカ

公開:2010年01月31日

会期:2009年11月28日~2010年01月16日 会場:オオタファインアーツ
インターネットのボタンをクリックすれば地球の反対側にさえ瞬時に繋がってしまう、この現代。自分が何処にいるのか、忘れることがありそうだ。ゲーム画面の中にはCGで作られた世界が広がり・・・

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大西伸明:Chain

公開:2010年01月28日

会期:2009年12月19日~2010年01月23日 会場:ギャラリーノマル
672匹の蝶が壁にぺったりと貼り付けられている。なぜ数がわかるかというと丁寧に全部数えたからではもちろんなく、整然と横21匹、縦32匹の列になっていたからだ。

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内藤礼:すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している

公開:2010年01月25日

会期:2009年11月14日~2010年01月24日 会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉
照明の落ちた二階の第一展示室。展示ケースに入っている、テキスタイルの上に置かれた豆電球のまとまりが唯一の灯りである。傍らにはリボンやボタンによるままごとの跡のようなまとまりもある。

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稲富淳輔:月よむ骨

公開:2010年01月21日

会期:2009年12月19日~2009年12月25日 会場:ギャラリー歩歩琳堂
うつわの口から底を見る。するとそこには星があった。黒い星々がまばらに輝いていた。うつわの白地に浮かぶ星は、日中の青空に浮かぶ月のように夜空でのそれとは違うかたちでその存在を際立たせていた。


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