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カリン・パトリシア・イェンゼン:A Silent Touch of Aphrodite
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 7月 29日

画像提供:ギャラリーストレンガー | copyright(c) Karin Patricia Jensen

北欧デザインは一般的にシンプルなフォルムで形成され、鮮やかな色彩が特徴的です。厳しい気候条件に対して、心地の良さを住空間を求め、広大な自然の中から生み出されるデザインは常に世界でも注目を集めています。その中でも世界的にも著名なデザイナーを多く輩出しているデンマーク。「デザインの聖地」と称される首都・コペンハーゲンは、美しいデザインが街並みや家庭の中に溶け込んでいます。コペンハーゲンから北へ約30キロ、カリン・パトリシア・イェンゼンの住むエルシノアがあります。シェイクスピアの悲劇「ハムレット」の舞台のエルシノアで知られている都市でもあり、世界遺産にも登録されているクロンボー城ではハムレットが幾度も上演されています。 カリン・パトリシア・イェンゼンはデンマーク・デザイン・スクールで陶磁器とガラスのデザインを学んだあと、1997年よりエルシノアで本格的な制作活動に入ります。気負いのないスタンスで制作に臨む彼女の作る陶器もまた自然とのつながりからインスピレーションを受けています。今回、日本での初個展の決まった時に、ふと優しさに満ちた愛情あふれる器を作りたいと思ったそうです。その思いは日々強くなり、自分自身以外の何かに導かれるように、”Aphrodite” の器が完成しました。 制作工程はカリンも驚くほどスムーズに進行し、”Seed”や”The Listener” を制作中も、”ただ聞くだけだった” という心に従って出来上がったのでした。仕上がった女神のアフロディーテの作品はちょうど太陽から45度の角度にかざすと、太極図の影が現れるという、すべては計画されていたかのような出来事を偶然という言葉では片付けることができなかったと語っています。 人はこの世界に存在する色しか作れないという話がありますが、作家に見えるこの優しい色の配色はやはり北欧のぬくもり、そしてこの宇宙に導かれて完成させた色にはどこか日本人にとっても懐かしさを感じさせる親しみやすい色は深い緑に囲まれた環境が似てるからでしょうか。

全文提供: ギャラリーストレンガー

最終更新 2009年 8月 29日
 

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