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没後一年 宇佐美圭司展 最後の大作 〈制動・大洪水〉(600号)に出会う
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 9月 27日

 

1940年大阪に生まれた宇佐美圭司は、高校卒業と同時に上京し画家をめざし、若干23歳にして 伝説の画廊となった南画廊で初の個展を開き、以後1967年のパリ青年ビエンナーレの日本代表、 1970年大阪万博での鉄鋼館美術監督、1972年にはヴェネツィア・ビエンナーレ日本代表、と 時代を先導して疾走します。

活動の原点になったのは、1965年「ライフ」誌に掲載されたロスアンジェルス・ワッツ地区の 黒人暴動の写真です。宇佐美圭司はそこから抜き出した4つの人型(走る、屈む、踞る、投石する)を 用いて、それ以後のすべての作品を制作するよう自決したのです。

宇佐美圭司は「絵が好きだから画家を志したというのではない。描くことは好きだったが、それは 歴史に参入するという意識とは別だ。私はかなり自覚的に自分の生のスタイルを選び取った・・」と 晩年に記しています。

この冷静に聞こえる言葉こそが宇佐美圭司の歌であり、また宇佐美圭司の絵画とは(実は)歌うための 装置として自覚的・禁欲的に追究したものだったのかもしれません。 最後に完成した大作<制動・大洪水>の前で耳をすませて頂きたいと思います。


全文提供:セゾン現代美術館
会期:2013年10月12日(土)~2013年12月23日(月)
時間:10:00 ~ 18:00 (4月 - 10月) 最終入館は閉館30分前まで 10:00 ~ 17:00 (11月- 12月)
休日:木、但し11月25日(月)以降は金・土・日・祝のみ開館
会場:セゾン現代美術館
最終更新 2013年 10月 12日
 

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