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芦田尚美:不思議なお茶会
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 7月 27日

画像提供:小山登美夫ギャラリー copy right(c) Naomi ASHIDA

芦田尚美の陶磁器作品には、見ていると心を暖められる絵本のような魅力があります。やわらかなライン、そして思わず顔がゆるんでしまうシロクマなどの動物たちや人物。こちらを嬉しくさせるのは、彼ら自身も楽しそうに鼻歌でも歌っているように見えるからかもしれません。また代表作の「AMETSUCHI」文様のシリーズは、美しい青が印象的。その青い空に磁肌の色の山脈が浮かび上がっています。丈夫で使いやすいと評判のこれら定番シリーズ(カップ、皿、花器、燭台など)と平行して、展覧会にはその都度テーマを設け、心にひっかかった事柄やモチーフを作品に取り入れて制作しています。「使ってみたい、自分の空間に置いてみたい、眺めていたい、と感じていだだけると嬉しいです」(作家談)という思いを込めながら、芦田は豊かな世界を紡ぎあげます。

【この展覧会について】
モチーフは、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』に着想をえた「不思議なお茶会(Mad Tea Party)」。「キャロルが黄金の午後(golden afternoon)にボートに乗り込んで、少女アリスたちに話を聞かせたところから今回の展示作品はスタート。うさぎを追いかけ、穴に落ちたアリス。不思議な地下の世界に迷い込み、次々とハプニングが起こる。帽子屋とうさぎ、ヤマネとの"おかしな"お茶会・・・」(作家による紹介)。立体作品のほか、ティーポット、カップ、ケーキ皿、壷、ボウル、菓子器、ランプシェードなど実際のお茶会に使えそうな器も展示いたします。

【作家プロフィール】
芦田尚美は1975年、京都府生まれ。98年に京都市立芸術大学美術学部工芸科陶磁器専攻を卒業、2000年に同大学大学院美術研究科工芸専攻陶磁器を修了しました。現在は京都府の松ヶ崎を拠点に制作しています。同時代ギャラリー(99年、京都)、高島屋京都店6階美術工芸サロン(01, 03, 06年)、human + art太陽事務(07、08年、京都)、ギャラリー猫亀屋(09年、大阪)などで個展を、複眼ギャラリー(04、05年、大阪)、アートライフみつはし(02~05、08年、京都)などでグループ展を多数開催。「京都陶芸の新しい芽」(主催:たち吉)において第1回から3回まで毎年入賞しています。 TKGエディションズ(銀座)、TKGエディションズ京都では随時作品を販売しています。

全文提供: 小山登美夫ギャラリー

最終更新 2009年 7月 31日
 

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