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ジョセフ・クーデルカ 展
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 9月 24日

FRANCE. Nord-Pas-de-Calais region. Pas-de-Calais department. 1986.
/ GB. Wales. Cardiff. Parking entrance. 1997.
/ GB. Wales. Cardiff Bay. 1997. Inner harbour. Graving dock.
「カオス」より ノール= パ= ド= カレー、フランス(1986 年)/ウェールズ、イギリス(1997 年)/ウェールズ、イギリス(1997 年)
© Josef Koudelka / Magnum Photos

ジョセフ・クーデルカ(1938 年チェコスロヴァキア生まれ)は、今日世界で最も注目される写真家の一人です。本展はその初期から最新作までを紹介する展覧会です。

航空技師として働きながら1960 年代初頭に写真を発表し始めたクーデルカは、知人の紹介で撮影を始めたプラハの劇場での写真を通じてチェコスロヴァキアの写真界にその存在を知られるようになります。1967 年には技師の仕事を辞め、フリーランスの写真家として活動を開始。その翌年ワルシャワ条約機構軍のプラハ侵攻を撮影。その写真は匿名のまま西側に配信され、それをきっかけに1970 年、クーデルカは故国を離れました。

当初イギリス、後にフランスを拠点に、チェコスロヴァキア時代からとりくんでいた「ジプシーズ Gypsies1962-1970」や、亡命後にヨーロッパ各地で撮影された「エグザイルズ Exiles 1968-1994」などのシリーズを発表。それらは詩的でありながら独特の強さをもつイメージによって、市井の人々のささやかな人生の陰影をとらえつつ、20 世紀という時代をめぐる文明論的な奥行きをも備えた作品として高く評価され、クーデルカは一躍欧米の写真界でその名を知られるようになりました。

2002 年、クーデルカの初めての本格的な回顧展として、故国チェコ共和国、プラハのナショナル・ギャラリーで開催された本展は、その後トルコやメキシコに巡回しました。アジアでは初の開催となる東京展では、従来展示されなかったヴィンテージ・プリントが加わるほか、1980 年代後半よりとりくんでいるパノラマ・フォーマットの作品による「カオス Chaos 1986-2012」のシリーズを、最新作も含めた新たな構成とし、初期から今日に至るクーデルカの作品世界を紹介します。

[作家プロフィール]
ジョセフ・クーデルカ Josef Koudelka
1938 年チェコスロヴァキア、モラビア生まれ。1961 年プラハ工科大学卒業。技師の仕事のかたわら舞台写真などを撮影。またチェコスロヴァキア各地でジプシーたちを撮影。1968 年ワルシャワ条約機構軍のプラハ侵攻を撮影。その写真は、本人および家族への報復の懸念から、P. P.( 「プラハの写真家」のイニシャル)名義で発表され、1969 年、匿名のまま国際報道クラブによりロバート・キャパ賞が授与された。1970 年に英国に移住。1971 年国際的な写真エージェンシーである「マグナム」に加入(1974 年正会員)。1980 年渡仏。1987 年帰化。『ジプシーズ』(1975 年)、『カオス』(1999 年)などの写真集や展覧会多数。
1978 年には優れた写真家に贈られるナダール賞を受章、またアンリ・カルティエ= ブレッソン賞(1991 年)、ハッセルブラッド国際写真賞(1992 年)など多くの写真賞を受賞しているほか、フランス芸術文化勲章(1992 年シェヴァリエ、2002 年オフィシエ)、チェコ共和国功労章(2002 年)を授与された。

○イベント情報
●講演会
増田玲(当館主任研究員/本展企画者)
日程: 2013年11月16日(土)
時間: 14:00-15:30
場所: 東京国立近代美術館 講堂(地下1階)
*開場は開演30分前
*申込不要、参加無料(先着140名)

●ギャラリー・トーク
小林美香(当館客員研究員)
日程: 2013年11月29日(金)
時間: 18:00-19:00
増田玲(当館主任研究員/本展企画者)
日程: 2013年12月20日(金)
時間: 18:00-19:00
いずれも、企画展ギャラリー(1階)にて
※申込不要、参加無料(要観覧券)


全文提供:東京国立近代美術館

会期:2013年11月6日(水)~2014年1月13日(月・祝)
時間:10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00) ※入館はそれぞれ閉館の30分前まで
休日:月(12月23日、1月13日は開館)、12月24日(火)、年末年始(12月28日(土)-1月1日(水・祝)
会場:東京国立近代美術館

最終更新 2013年 11月 06日
 

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