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前橋 瞳:down in the valley
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2013年 9月 20日

utopian 
2012
117.5×178.8cm
ラムダプリント

私どもunseal contemporaryでは、10月4日から前橋瞳展"down in the vallery"を開催いたします。

私どもでは作家はじめての個展となります。まだ大学院在籍中の若い作家ですが、手法はさほど目新しいものではないものの、強いインパクトを感じさせる作品を制作しています。

日常の出来事や人間関係も、いったん距離をとり、よく見つめてみると、見慣れた形から遠ざかり、やがて不定形で不気味なものに変貌してしまう、そんな経験を表現に取りこもうとしている作家です。

ですが、言うは易く行うは難しで、たんなるアイデア勝負の作品や、手法に溺れてしまっている作品は多いのですが、その変貌のプロセスや変貌後の不気味さをリアルに表現できている作品に出会うのは極めて稀です。

前橋の作品は、自分の好きなものでさえ、ある瞬間に別の見知らぬ不気味な存在にしてしまうという感覚を、その不気味さの中に愛着を残したままの形で造形化できている点で、つまりたとえば「可愛さ」と「不気味さ」を同時に体現したフィギュアとして造形できている点で一歩前に出ていると思います。またそれは見慣れた存在の多様な相貌としてではなく、存在そのものに潜在しているものとして描こうとしている点もユニークなところです。

さらに異貌のフィギュアたちが神話的な世界を構成するような作品も手がけており今後の展開も期待できる作家です。

本展では、きっと記憶に長くとどまる作品と出会っていただけると思います。

[作家コメント]
私にとっての現実を具現化させるため描く。
不気味の谷の底で、嫌悪感ではない他のナニカを探す。
事実と虚構が入り乱れ、何が嘘で何が本当なのか、
自分自身すら、わからなくなる。

[作家プロフィール]
1989 愛知県生まれ
2012 愛知県立芸術大学美術学部油画専攻卒業
2012 愛知県立芸術大学 博士前期課程 美術研究科 美術専攻 油画・版画領域 入学
現在同大学院在籍

〈受賞〉
2012 第36回全国大学版画展買上賞(町田市立国際版画美術館/東京)

〈主な展示〉
2010 二人展「paranoia-妄想症- 前橋瞳 横山奈穂子展」(彩アートスペース/愛知)
2012 第6回全国大学版画展受賞者展(文房堂ギャラリー/東京)
2012 版画の断片-4(東北芸術工科大学/山形)
2012 個展「implosion」(エビスアートラボ/愛知)

〈パブリック・コレクション〉
町田市国際版画美術館

オープニングパーティ 初日18:00~20:00

全文提供:unseal contemporary


会期:2013年10月4日(金)~2013年11月3日(日)
時間:12:00 - 19:00
休日:月~木
会場:unseal contemporary

最終更新 2013年 10月 04日
 

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