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飯田竜太:再帰の終焉
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2013年 7月 18日

End of Recursion time of a sea gull

SLANTでは、2013年7月9日(火)より「飯田 竜太:再帰の終焉 Iida Ryuta: End of Recursion time of a sea gull」を開催致します。

飯田竜太(1981-)は、自身が学生時代に習得した彫刻を表現の核に据えながら、本や印刷物といった紙を中心とする素材を選び、圧倒的かつ精緻な技術によってそれらを切り刻んで、それらがもともと有する文字情報や様々な記号そして装丁までをも織り込んだ、新たな「立体作品」を浮かび上がらせる希有な作家です。その確かな技術をともなった横断的な作品表現、建築的なアプローチをも応用した空間を駆使する展示は、そのデビュー以来着実に高い評価を得てきました。

本展では、作家本人がステイトメントで言及している「回帰(リカージョン)」が一つのテーマとなっています。『森鴎外全集』を使った新作の階段状のインスタレーションや英文字を切り抜いた書籍とその文字から生み出された球状の立体作品などによって、その彫刻と本そして文字という異なるメディアの新しい邂逅がまた生まれることでしょう。

また、本展開催に合わせまして、金沢美術工芸大学における講義やワークショップや、SLANT発行によるタブロイド判作品集の出版も企画されています。 ぜひあわせてお楽しみ頂ければ幸いです。

[作家コメント]
色々なことを詳しく相手に伝えたい時、言葉の不足を言葉で補おうとします。
これを言語の回帰機能「リカージョン」といいます。
文字を藝術の術(すべ)とした作家は、これを巧に使い分け人生の分身として作品を作り続けました。
作家が没し、編纂された「全集」という本は作家の人生をまとめた文字としての時間性=人生を表しています。
本を開き・読む行為に変え、切る事で文字の持つ情報を平面化し文字で伝えられない表情としての時間性を表す事が、今回の展示の試みとなります。

飯田 竜太

[作家プロフィール]
飯田 竜太/RYUTA IIDA
1981年静岡県沼津市生まれ。2004年日本大学芸術学部美術科彫刻コース卒業。
自ら収集した古書や稀覯本を素材にして、それらの書籍に「彫る」という行為を施し独自の立体作品をつくる手法を確立する。
2004年「第22 回グラフィック一坪展」グランプリ受賞。2007年graf media gmにて初個展、2009年「岡本太郎現代芸術賞」入選。2010年は台北の PF gallery にて三人展「手感的妙 PART1」や FUBON ART FOUNDATION 主催の「VERY FUN PARK」へ参加。
国内ではと艾未未らとともにコム デ ギャルソンの DMシリーズのひとつとして作品が採用される。また『トマス・ピンチョン全小説』の発行に際して処女作「v.」の装画や、荒木飛呂彦責任編集『JOJOmenon /ジョジョメノン』に寄稿した吉本ばなな書き下ろし短編の挿絵なども担当。

飯田竜太

全文提供:SLANT


会期:2013年7月9日(火)~2013年8月4日(日)
時間:12:00~19:00
休日:月・火
会場:SLANT

最終更新 2013年 7月 09日
 

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