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平子雄一:The Leaf Scar
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 6月 28日

『Round Table 2』2013, acrylic on canvas, 130 x 162 cm

waitingroomでは2013年7月6日(土)~8月11日(日)まで、平子雄一の個展『The Leaf Scar』を開催いたします。国外での発 表が続く平子にとって、2013年唯一の国内での個展開催となります。本展では、都市空間・特に東京での植物と人間の共存について と、そこに浮かび上がって来る関係性に対する疑問をテーマに制作している平子の、新作ペインティングと彫刻作品を展示致します。

作家・平子雄一について
1982年岡山県生まれ、東京都在住。2006年にイギリスのWimbledon College of Art, Fine Art, Painting学科を卒業。日本国内以外にも、コ ペンハーゲン、シンガポール、台湾、サンフランシスコなど、国外でも精 力的に発表を続けています。近年の展覧会として、2012年個展 『SLEEPING IN THE PINE FOREST』(Galleri Christoffer Egelund, コペンハーゲン)、2012年個展『庭先メモリーズ:見えない森』(INAX GALLERY, 東京)、2012年個展『The Wooden Clapper』(The Drawing Room, マニラ)が挙げられます。また、2009年『シェル美術 賞』入選、2010年『トーキョーワンダーウォール』トーキョーワンダー ウォール賞受賞、2013年『VOCA展』奨励賞受賞など、国内の主要公募 展での活躍も目覚ましいです。

葉痕(Leaf Scar)が語る植物の記憶と人間との関係
平子は、都市空間・特に東京での植物と人間の共存をテーマに制作をして います。それは、観葉植物のように室内で共に暮らしたり、庭や公園のよ うに人工的に作り出された自然が多い都市空間では、人と植物の関係性が 非常に曖昧であるという点への疑問がきっかけとなっています。わざわざ 外部から移して来ることによって、気候にあっていない植物が都市の中で 安易に枯れてしまったり、莫大な予算をかけて生かすのが非常に困難な植 物を無理矢理生かそうとしたりなど、そこには都市に住む人間のエゴやギ リギリの精神状況が見え隠れしています。平子は自身の作品を通して、植 物とは元来どういうものであったのか、また植物と人間の共存とは一体ど ういうことなのかを問い、鑑賞者がそれぞれ考えるきっかけを作りたいと 制作してきました。
今回の展覧会のタイトルになっている「Leaf Scar」とは、生物学用語の 「葉痕」のことをいいます。冬になって葉が茎から落ちたあとに、茎の断 面に残る痕跡のことを指しています。それは、植物が確かにそこにあった という証であり、また植物の種類によって葉痕の模様も違うため、それぞ れの個性がそこに現れているともいえるでしょう。 東京にはサバイブ出来ない植物が多いが、それは確かにそこにあったとい う痕跡と記憶を、平子は作品の中に描き出そうとしています。そして、鑑 賞者側がそれぞれの植物との記憶と作品をシンクロさせることによって、 人間と植物との関係性を考え直すきっかけ作りが出来たら、と平子は語り ます。
本展では、新作の大小約20点のペインティング、約10点の彫刻作品を発 表致します。この機会に是非、平子雄一が描く世界観をご高覧下さい。

[作家プロフィール]
平子 雄一 Yuichi HIRAKO
作家略歴
1982  岡山県生まれ
2006  Wimbledon College of Art, BA (Hons), Fine Art: Painting 卒業
個展
2013 (Forthcoming)Sonnentor Art Space, 台北
(Forthcoming)The Drawing Room, シンガポール
『The Leaf Scar』waitingroom, 東京
2012 『The Wooden Clapper』The Drawing Room, マニラ
『Selected Forest』Satellite, 岡山
『Advanced Plants』WALL/H.P.FRANCE, 東京
『The Green Pieces』GALLERY MoMo Ryogoku, 東京
『庭先メモリーズ:見えない森』INAX GALLERY, 東京
『庭先メモリーズ:ヤドリギ』Tokyo Wonder Site Art Cafe kurage, 東京
『SLEEPING IN THE PINE FOREST』Galleri Christoffer Egelund, コペンハーゲン
2011  『平子雄一展」SATELLITE, 岡山
『庭先メモリーズ:ソング』トーキョーワンダーサイト本郷, 東京
『トーキョーワンダーウォール都庁』東京都庁, 東京
2010  『庭先メモリーズ』GALLERY MoMo Ryogoku, 東京

グループ展
2013 『スナックJIKKA』実家 JIKKA, 東京
『創世記』Sonnentor Art Space, 台北
『PSYCHOTROPICS』The Drawing Room Singapore, シンガポール
『VOCA展 2013』上野の森美術館, 東京
『東京画 II ~心の風景のあやもよう~』東京都美術館, 東京
『HOTCHPOTCH』Galleri Christoffer Egelund, コペンハーゲン
2012 『XMAS’12』Galleri Christoffer Egelund(コペンハーゲン)
『SUMMERTIME 12』Galleri Christoffer Egelund(コペンハーゲン)
『バックトゥーザネイチャー』Fuma Contemporary Tokyo / Bunkyo Art (東京)
『第5回岡山県新進美術家育成I氏賞選考作品展』岡山県天神山文化プラザ(岡山)
2011  『XMAS ’11』Galleri Christoffer Egelund(コペンハーゲン)
『Dアートビエンナーレ』Y++ Gallery Triwizart(北京)
『Dアートビエンナーレ2011』ダイテックサカエ(愛知)
『アーツチャレンジ2011』愛知芸術文化センター(愛知)
『再生 -Regenerate- Part.1』GALLERY MoMo Ryogoku (東京)
2010  『群馬青年ビエンナーレ2010』群馬県近代美術館(群馬)
『トーキョーワンダーウォール2010』東京都現代美術館(東京)
2009  『Amuse Art Jam 09』京都文化博物館(京都)
『シェル美術賞展2009』代官山ヒルサイドフォーラム(東京)
『トーキョーワンダーシード2009』ワンダーサイト渋谷(東京)
2008  『GEISAI#11』東京ビッグサイト(東京)
2006  『Amuse Art Jam 06』京都文化博物館(京都)
『Stepsiblings』Temporary Contemporary (ロンドン)
受賞歴
2013  『VOCA展2013』奨励賞
2011  『第2回Dアートビエンナーレ2011』優秀賞
2011  『アーツチャレンジ2011』入選
2010  『トーキョーワンダーウォール2010』トーキョーワンダーウォール賞
2009  『シェル美術賞2009』入選

・本展のオープニングレセプションを、初日の7月6日(土)18~21時に開催します。作家も在廊いたします。
・なお、初日も通常通り13時からオープンいたします。


全文提供:ウェイティングルーム
会期:2013年7月6日(土)~2013年8月11日(日)
時間:(月)17:00 -23:00)、(金・土・日)13:00 - 19:00
休日:火~木
会場:ウェイティングルーム
最終更新 2013年 7月 06日
 

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