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Tatjana Doll:SILENT RUNNING (Get off Facebook)
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 6月 05日

 

このたび、NANZUKAは、ドイツ人アーティスト、タティアナ・ドールの日本では2回目となる個展を開催致します。タティアナ・ドールは、1970年旧西ドイツのブルクシュタインフルトに生まれ、デュッセルドルフ芸術大学を卒業した女性アーティストです。その作品は、Camp, Museum fur junge Kunst, フランクフルト(2010)、Toxic Chemicals, Wilhelm-Hack Museum, ルートヴィヒスハーフェン(2010)といった美術館での個展の他、Contemporary German Painting, Museu de Arte de Sao Paulo, ブラジル (2011)などドイツ国内外で広く発表されています。

今回の展覧会において、ドールは9点の最新作を含む12点の未発表作品を展示致します。

今回発表される作品は、私たちがどこかで目にした事のある場面や、それとなく知っているイメージの結晶とも呼べるペインティングの数々です。例えば、1956年制作のSF映画「禁断の惑星」や「オズの魔法使い」といったクラシック映画の印象的なシーンをキャプチャー又はクローズアップした作品(「CBL_Exosphere, 2013」及び「CBL_Gryning, 2013」、「CBL_Refraction 1.33, 2013」)、あるいはドラキュラのポスターの引用などです。

ドールの作品は、エナメルやアクリル、オイルなど異なる種類の絵の具を使い、何重ものレイヤーを塗り重ねて描かれます。そうする事で、最初に描かれた対象が抽象化していく行程にドールは関心を寄せているからです。そのプロセスは流動的且つ偶発的でありながらも、作品の到着地点は約束の地に導かれます。何重にも塗り重ねられ、隠されたレイヤーは私たち人類の必ずしも賞賛されない数々の歴史的事実を想起させます。あるいは、現在進行形で覆い隠されている真実のベールを表しているのかもしれません。

例えば、「CBL_Silent Running」というタイトルのミッキーマウスが描かれているように見える作品について、ドールは「通称ミッキーマウス保護法というのがありますが、それはミッキーマウスが他の映画などで使用された場合に常にディズニーに著作権が帰属する、というルールについて考えたことから生まれた作品」だと解説しています。このように、ドールの作品へのアプローチは、論理的な計算よりも衝動や自由といった、私たちの誰もが生まれ持っている芸術的表現への関心に基づいているのです。

今回の個展のために、アーティストが来日予定となっております。5月31日(金)には、アーティストを囲んでのレセプションパーティーを開催いたします。皆様のご来場とご高覧を、心よりお待ち申し上げております。


全文提供:NANZUKA
会期:2013年6月1日(土)~2013年7月6日(土)
時間:11:00 -19:00
休日:日・月・祝
会場:NANZUKA
最終更新 2013年 6月 01日
 

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