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染谷聡:御獣 ~おけもの~
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 8月 05日

≪お椀獣‐太郎と花子」の花子≫(参考作品)2008年 18×25×25cm|漆・金・銀・お椀・人毛・乾漆技法|画像提供:イムラアートギャラリー copyright(c) Satoshi SOMEYA

≪Mt.バンビ≫(参考作品)2008年 17×12×18cm|漆・珊瑚・金・銀・乾漆技法 |画像提供:イムラアートギャラリー copyright(c) Satoshi SOMEYA

≪サイクル鹿(縁鹿)≫(参考作品)2008年 55×45×80cm|漆・金・銀・鹿の角・薬莢・乾漆技法|画像提供:イムラアートギャラリー copyright(c) Satoshi SOMEYA

染谷聡は、現在京都市立芸術大学の博士課程に在学。染谷の作品は、動物や怪獣などのイキモノをモチーフに、漆という素材の持つ美しさや伝統的な技法と染谷独特の現代的感覚とが融合した、どこかキッチュな立体作品です。

染谷が現在制作において最も興味を抱いていることは「イメージや記憶、交差するアイデンティティー」。昔の記憶やイメージと、現在の自分や日常とが混ざり合い、自身に内在する今と昔の関係性を漆を通じて表現します。

今回の展覧会タイトルは「御獣 ~おけもの~」。イキモノが持つフォルムの美しさに魅せられている染谷ですが、イキモノをモチーフに制作を続けているのは、幼少期に6年ほどインドネシアで生活していたため、人間と動物との距離が近く、そのイメージが非常に強く、無意識のうちに現在の制作に深く影響しているからです。

又、染谷の作品で特筆すべきは、蒔絵・漆絵・螺鈿・沈金といった漆の伝統的な加飾技法を、意表をつくイメージやレディメイドの日用品を用いるなど工夫をこらし、まるで子どもが壁に落書きやシールを貼るかのように、楽しみながら好奇心旺盛に施しているところです。

本展では漆の立体作品に加え、初のイラストを含む新作10数点を展示する予定です。伝統的な漆という素材を自由な感性でのびやかに表現する染谷聡ワールドを是非ご高覧ください。

染谷聡 Satoshi Someya
1983 東京都出身
1984 6年間インドネシアに暮らす
2006 京都市立芸術大学工芸科卒業
2009 京都市立芸術大学博士課程漆工領域在学

主な展覧会
2006  「ANDO×SOMEYA exhibition」 石田大成社ホール / 京都
2007  「ART RAINBOW PROJECT」 KUNSTHALL ROSTOCK / ドイツ、「裏・アートマップ 2007」 京都芸術センター
2008  個展 「Heritage of S exhibition」  ギャラリー恵風 / 京都
2009  「s/s PROJECT. 001」 canary production gallery / 京都、個展 イムラアートギャラリー / 京都 (8月)

全文提供: イムラアートギャラリー

最終更新 2009年 8月 04日
 

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