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五十嵐英之:交叉面:絵画とその周辺 ~垂直に競り上がった海面~
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 5月 10日

 

五十嵐英之は、絵画、写真、版画、彫刻、インスタレーションなど様々なメディアや表現様式を用い、社会との関わりに取組む活動もおこなうなど、広い視野をもったアーティストです。

最近では、中西夏之氏との共同制作・展覧会『遠くの画布、近くの絵』や共同研究「像の拡大と拡散の試み」をおこない、現代絵画についての分析を展開しています。 中西夏之氏と五十嵐が相互に分析し合うことにより、2人の作品制作の軌跡を垣間みることができます。 これは絵画史上とても貴重な資料といえるでしょう。

また、発達障がいのある人との絵画をコミュニケーションツールとした20年にわたる取組では、 精神分析学や脳科学の分野にも影響をあたえながら発展的に継続しています。

五十嵐の「視覚とは何か、視触覚とは何か」という疑問へのアプローチは、また「五十嵐と対象物の間にある距離」の問題へ、「間主観的」な哲学的問題とも繋がります。そして「描く」という人間本来の行為への素朴な疑問。 様々な疑問への答えを探してきた五十嵐英之。

今回の展覧会は、五十嵐英之と倉地雅徳氏(重度発達障がい•自閉症という重複障がい者)との約20年、5000枚以上にわたるドローイング•セッションの一部展示に加え、過去作品から最新作品まで、モリユウギャラリー森裕一が15年間みてきた五十嵐英之の代表的取組みより展示いたします。
五十嵐絵画は、単なる写真の「うつし」ではなく、描かれた対象物そのものにとても「ちかい」、まるでその対象物に「触れうる」絵画なのです。
外部を切り取ってきた写真のような絵画ではなく、鑑賞者がその外部そのものへと連れ出されるような絵画、「絵画の対象物や対象者とともに存る」ような、「持続性のある」絵画であることを御理解頂けるのではないでしょうか。 また従来の写真がピンホールという抜け穴を通して置き去りにしてきた対象そのものにもう一度その抜け穴というパッサージュを通り、 光と反対に逆戻りし対象そのものへ、我々を記憶の原野へと連れ戻してくれるような写真作品も展示いたします。

<アーティスト トーク>
中西夏之×五十嵐英之 対談
「受映膜について」
5 /18 [sat.] 14:00 -15:30 (ご予約不要)
*中西夏之氏をお招きし、作家と対談を行います。

Reception; 2013/05/11[土] 18:00-


全文提供:モリユウギャラリー東京
会期:2013年5月11日(土)~2013年5月26日(日)
時間:12:00 - 19:00
休日:月、火、祝
会場:モリユウギャラリー東京
最終更新 2013年 5月 11日
 

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