加藤崇は自分の身体と外部のものを、様々な特殊な行為によって触れ合わせます。その行為はある単純で明白な形式を持っていますが、日常的な解釈を寄せ付けず、いっさい物語を生み出すことがありません。また彼はそれをけっして生の行為としては提示せずに、写真や映像という平面世界に閉じ込めてしまいます。ときに痛みや危険や嫌悪を想像させ、観る者の神経を逆なですることもありますが、その姿は私たちには決して触れ得ない距離を隔てて、いつも、まるで運命に身を任せきるかのように静かです。恐れも欲望も超えた、自他の区別すら消えた静物の美によって、新たな造形の世界を紡ぎだしているように見えます。

［作家プロフィール］
加藤　崇　Kato Takashi

1979　愛知県生まれ
2002　多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
2004　多摩美術大学大学院美術研究科修了

個展
2002 「トーキョーワンダーウォール2001」東京都庁舎、東京
2004　ギャラリイＫ、東京（ 05, 06, 07, 08, 10, 11 )　
2009　東京現代美術画廊会議企画「新世代への視点2009」 ギャラリイＫ、東京
2012 「クレイジーフルーツ」kokori、山梨
主なグループ展
2001 「トーキョーワンダーウォール公募2001」東京都現代美術館、東京
2004 「トーキョーワンダーウォールの作家たち2002～2003」 東京都現代美術館、東京
「第14回 ART BOX 大賞展」DIC COLOR SQUARE、東京
「シェル美術賞展2004」 代官山ヒルサイドフォーラム、東京
2005 「日本コラージュ18景」 ギャラリイK、東京
2006 「画廊からの発言 ‘06 小品展」 ギャラリーなつかb.p、東京（ 08, 11 ）
「DARK SEED 02 - From The Seven Depth」exhibit Live & Moris、東京
2008 「Influence 加藤崇×前本彰子」exhibit Live & Moris、東京
2010 「佐々木和良・加藤 崇」 ギャラリイK、東京
「DARK SEED 05 - GATE」exhibit Live&Moris gallery、東京
「Art For Two」 ギャラリイK、東京
2011 「こみまる展2011」浜屋敷、大阪
「前橋アートコンペライヴ2011受賞作品展」前橋市役所、群馬
2012 「浜屋敷アートフェスタ2012」浜屋敷、大阪

受賞
2001 「トーキョーワンダーウォール賞」
2004 「第14回 ART BOX 大賞、高橋周平賞」
「シェル美術賞展2004、入選」
2011 「こみまる展2011、特別賞」
「前橋アートコンペライヴ2011、秋元雄史賞」