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太田侑子:愛しの神さま
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2013年 4月 26日

「美術の櫓」 2013 72.8x51.5cm キャンバスに油彩(本展出品)

私どもunseal contemporaryでは、5月10日から太田侑子展「愛しの神さま」を開催いたします。

太田侑子は、昨年には東京美術倶楽部主催の「ART AWARD NEXT 2012」での大賞受賞、今年は「第16回岡本太郎現代芸術賞」で入選という形でその力が評価された、二年前に大学を終えたばかりのまだ若い作家です。

この作家の力、魅力は、日常のリアルな光景に触発されて広がる豊かな想像世界と、それを画面に大胆に構成していく力にあります。添付画像の作品「地獄谷」と、「固い先生」はそれを典型的に示しています。それぞれ自己の体験と写真がベースになっている(と作家は告白しています)ものの、作品は写真をはるかに凌駕した、絵画のみよくなしえる世界を生み出しています。

日常の小さなドラマを絵画として表現する場合でも、それが人を撃つ力を持つためには、作家の想像力がどこまで及んでいるかにかかっています。もしその想像世界が私たちの予測を超えた範囲にまで広がっている場合には、作家は見る者を作品世界に引きづり込むことが可能になります。太田の作家としての想像力と構成力は、まさにその引きづり込む力を備えています。そしてこの二つは、天賦のものです。

この作家のもう一つの魅力はユーモアのセンスです。風景画の禍々しさと対照的に作中に描かれている、作家自身のひょうきんな自画像、またずんぐりした形と不釣り合いな人形たちのシリアスな表情など。おそらくは世界の奇怪なありように触れてしまう想像世界をユーモアで中和しようとする作家の無意識がから生み出されいているのかも知れません。

まだ若く、これから多くの課題に直面すると思いますが、この作家にはそれらの課題を乗り越え、大きく羽ばたく可能性を感じます。本展は私どもでの初個展となり、新作7点ほどで構成されます。どうかご期待ください。

[作家コメント]
私が集め、描いている人形達は、私の知らないところで、誰かの手によって、
何らかの意図があってつくられた物だ。

それらは愛らしく、珍妙で、またどこから見ても目線が合うことの無い奇妙
な存在である。その奇妙な存在に心を奪われ、私はそれに、神や仏のような
ものを感じている。私にとって人形達を描いた作品は、宗教画への一種のオ
マージュのようなものである。

[作家プロフィール]
太田侑子

1988 奈良県生まれ

2010 金沢美術工芸大学美術工芸学科卒業

2011 金沢美術工芸大学美術研究科絵画専攻卒業

個展


2011 太田侑子個展 / GALLERY b.Tokyo、東京



グループ展
2009 キモチビュウ / Galleria Ponte、石川

2011 Fictional / 泉野図書館アートロビー、石川

受賞
2012 「Art Award Next2012」 大賞受賞

2013 「第16回岡本太郎現代芸術賞」 入選

オープニングパーティ 初日18:00~20:00

全文提供:unseal contemporary


会期:2013年5月10日(金)~2013年6月16日(日)
時間:11:00 - 19:00 金土日のみ
会場:unseal contemporary

最終更新 2013年 5月 10日
 

関連情報


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