| EN |

トレヴァー・ブラウン:女の子戦争
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 4月 18日

「surrender」
油彩、キャンバス
2012年

カタルシスへの革命を目撃せよ

トレヴァー・ブラウン(Trevor Brown)はロンドン出身の画家・イラストレーター。そのスキャンダラスな作風は母国イギリスでは受け入れられなかったため、日本に活動の場を移しました。以後、日本のサブカルチャーにも影響を受け、幻想的な作品を多く発表。現在ではアメリカやヨーロッパにも多くのファンを得ています。

毒々しさで染め上げられ、強烈なシニカルを持ち合わせる作品の主なモチーフは、「少女たち」。サディスティックに歪められ、エロチシズムで戯画化された彼女たちの姿は、子供と大人の間で相反するものが一体となるメタファーなのです。神聖で、厳かで、天使のような存在と背反する俗悪は、秘密めいた美しさを現わします。また、彼の高い描写技術によって描き出された限りなくリアルな存在感は、一瞬にして非日常の空間へと誘う力を持っています。

2009年に開催した「アリスの時間」に続き2回目となる今展では、新作の油彩画を多数発表。また、来日20年を記念して待望の新作画集が刊行します。おもちゃの可愛らしい戦車や戦闘機を背景に銃や手榴弾を持ち、武装蜂起した彼女たちは何と戦っているのでしょうか?彼の描き出す妖しい世界は、どこか無機質で虚ろげな表情で訴えかける「少女たち」の心の叫びの代弁者として迎えられ、受容されているのでしょう。閉塞した世界にレジーム・チェンジを突きつける、センセーショナルな解放を体感してみてはいかがでしょうか。そうして、我々はカタルシス(抑圧からの解放・浄化)の境地に辿り着くのです。繊細で苛烈なセンスを奔放に羽ばたかせるトレヴァー・ブラウンの禁断の園が、扉開かれる瞬間…グロテスクで、愛おしく、恐ろしく、いじらしい、「少女たち」の姿に魅了されることでしょう。

◆サイン会開催◆
待望の新作画集の刊行を記念して、サイン会を行います!
5月18日 (土) 15:00~
※作品・書籍をご購入のお客様に限ります。


全文提供:Bunkamuraギャラリー
会期:2013年5月15日(水)~2013年5月26日(日)
時間:10:00~19:30
会場:Bunkamuraギャラリー
最終更新 2013年 5月 15日
 

関連情報


| EN |