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Published: March 06 2013 |
樫田奈津美と林莉紗による二人展です。 器をつくったり、クレイワークをしたりと、陶芸というジャンルの中でさまざまな表現をしている二人は、しかし、制作においてはあまり似たところもなく、テーマも、つくるものも、考え方もまるで違います。 人と話していると、この人とはこういう部分が違うのか、と、その差異によってかえってお互いの姿がクリアに見えるようになる、ということがありますが、この二人の関係はまさにそのようなものではないかと思います。 それぞれのまったく違う表現を知ることで刺激し合い、自らの制作にもつながっています。 そして、自分には真似できない、と感じるからこそ、この人の作品はこれからどうなっていくのか、と期待もするのです。 今回は展覧会のテーマを「青」に定めました。 青と一言で言っても、さまざまな青があります。青に対する印象もまた、人によってさまざまでしょう。静か、冷たい、暗い、清らか…など。 これらは似ているようですが、少しずつ違います。 そんな青から広がるイメージを、おのおのに解釈し、表現に用いました。 樫田と林、それぞれの「これから」と陶芸を結びつける展覧会です。 まだまだ青い二人ですが、楽しんでいただければ幸いです。
[作家コメント] 樫田 奈津美 KASHIDA, Natsumi 何をしていても、また、していなくても、毎日はやって来て、時間はどん どん過ぎていく。 朝がきて、夜がきて、また朝がくる。 そのことは私をすごく不安にさせるけれど、近ごろ私には、それだけが 救いのようにも感じられる。 「時間が過ぎていく」ということについて考えるとき、きまって、何とも 言い難い気持ちを覚える。 その何か、をカタチにしようと制作してきたが、その何か、が何なのか は、まだよくわからずにいる。 近づこうとするほど遠ざかり、探れば探るほど、道は見えなくなった。 わかったことと言えば、「やっぱりどうしようもなく時間は過ぎていっ てしまうのだ」ということだけだ。 それでも、つくるという行為の中に、その何かを見つけたいと思う。 私はこれからも、そのもやの中を歩き続ける。
林 莉紗 HAYASHI, Risa ただなんとなく周りと違う空気を纏う、特別だと感じる空間がある。 山の中だったり、ちょっとした路地裏だったり。 いつもと同じ通学路を歩いていても時間帯や天気、光の射し方などに よってその日のその時間だけ特別な空気を纏うこともある。 私にとって今までで一番強烈に印象に残っている特別な空間は、 フランスの教会だ。 大学3回生の時にフランス研修旅行でたくさんの教会をめぐり重たい 扉の向こうに広がる特別な空間を知り、惹きこまれていった。 あの時に感じた外とは全く違う音や空気、光は今でも忘れられない。 私はそんな空間をつくりたいと思う。
[作家プロフィール] 樫田 奈津美 KASHIDA, Natsumi 1990 大阪府生まれ 2013 京都造形芸術大学 陶芸コース 卒業 2011 京都同時代学生陶芸展(元・立誠小学校/京都) 丼ちゃんさわぎ展(ギャラリーh2o/京都) 2012 ○十八-おはこ-展(Gallery PARC/京都) 京都同時代学生陶芸展(元・立誠小学校/京都) 丼とこい展(ギャラリーh2o/京都) 京都四芸大合同碗展(京都陶磁器会館/京都)
林 莉紗 HAYASHI, Risa 1990 大阪府生まれ 2013 京都造形芸術大学 陶芸コース 4回生 2011 風と土の工藝(滋賀県高島市主催) 今、できること(ギャラリーh2o/京都) 京都同時代学生陶芸展(元・立誠小学校/京都) 丼ちゃんさわぎ展(ギャラリーh2o/京都) 第106回 京料理展示大会(京都勧業会館みやこめっせ/京都) 2012 ○十八-おはこ-展(Gallery PARC/京都) 京都同時代学生陶芸展(元・立誠小学校/京都) 丼とこい展(ギャラリーh2o/京都) 京都四芸大合同碗展(京都陶磁器会館/京都) 第107回 京料理展示大会(京都勧業会館みやこめっせ/京都) その他の活動 東日本大震災復興支援プロジェクト「一汁一菜の器プロジェクト」
全文提供:Gallery PARC
会期:2013.3.12~2013.3.17 時間:11:00 - 19:00 closed on Monday 会場:Gallery PARC
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Last Updated on March 12 2013 |