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平田晃久:Flame frame
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 6月 18日

Akihisa Hirata “Flame frame” 2008 | aluminum, dimension variable | Courtesy of akihisa hirata architecture office | copyright(c) Akihisa HIRATA

Akihisa Hirata "Flame frame" | conceptual drawing | Taka Ishii Gallery, 2009 | Courtesy of akihisa hirata architecture office | copyright(c) Akihisa HIRATA

1971年大阪府生まれ、1997年京都大学大学院工学研究科修了後、1997-2005年まで伊東豊雄建築設計事務所に勤務し、「せんだいメディアテーク(実施設計)」(宮城)、「桜上水K邸」(東京)、「ゲント市文化フォーラム」(ゲント)、「TOD'S表参道ビル」(東京)等を手掛けたのち、 2005年より平田晃久建築設計事務所を主宰し、東京を拠点に活動しています。 SDレビュー2004朝倉賞(House H)を始め、SDレビュー2006入賞(House S)、第19回2007年JIA新人賞(桝屋本店)などを受賞し、目ざましい評価を得てきました。 2007年には、都市型商業施設 「sarugaku」(代官山)を発表、第1回リスボン建築トリエンナーレ2007に参加、そして2008年には、「イエノイエ」(横浜トリエンナーレ2008のインフォメーションセンター)を発表、同年のFrieze Art Fair (ロンドン)に「csh」(椅子)を出品し、国内のみならず、ヨーロッパ各国で大きな反響を呼びました。2009年、ミラノ・サローネにおいては、最新作となる立体的な形状の投影用スクリーン「animated knot」を発表しています。

Flame frame
炎のような曖昧な様態を持ったアルミニウムのフレームである。それは、自律するオブジェクトとしての魅力を放つと同時に、様々な用途に対しても開かれている。人間が自然物を多様に利用してきたのと同じことが、ここでも起こるだろう。プレス加工によるねじれたアルミピースの集合体は、様々な大きさの空間や使われ方に対応できる柔軟性を持っている。かつてない空間の区切りかたを提案するこのシステムは、ホテルのロビーのような大空間では、パーティションやディスプレイとして多目的にはたらくだろう。あるいは、茶室のような小さな規模の空間を内包する構築物として、あるいはシャンデリアのような照明器具として使われる、様々な場面を想像できる。

立ち昇る炎、木の葉の重なり、たんぱく質の構造…。自然界に存在する不思議な現象と共通の本性を持つシンプルなシステムが、人々の関係をゆるやかに区切りつつ、つなぐ。

平田晃久

今回の個展におきましては、タカ・イシイギャラリーのオフィス・スペースにて、最新作品「Flame frame」を発表する運びとなります。この作品は、2009年末までオフィス・スペースに展示されます。

平田晃久の作品は、生命体がもつさまざまな仕組みが原理となっています。「たとえば、1本の木の下で人間が心地よさを感じることがあったとしても、その木はただひたすら光合成をして、生きるために葉っぱを最大効率で広げているだけで、別に人間のことは考えていない。そういった独自の存在原理が建築においても実現できたら、人々にとって不思議な説得力をもつ。」生命の不思議さと建築の成り立ちは、ある原理から発生する点でつながっている、と解釈する平田は、空間づくりのモチーフを「自然の原理」- 屋根は水が流れることによってできる山や谷の形に、 建物の内部の壁や床は、たちのぼる煙や、植物のヒダが成長する姿の中に見出すことで、外と内のせめぎあいによって決定される建築の可能性を追求しています。

※全文提供: タカ・イシイギャラリー

最終更新 2009年 8月 01日
 

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