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ギムレットには早すぎる ?
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2013年 2月 25日

©Hatsumi and Seiji Mizuno《Ambientforest》, Cyanotype on palladium print, Finland, 2011

©Terumasa Kawasaki《The Unobserved Flash》,Pigment print with monochromatic inks, Japan, 2012

ハードボイルド小説「長いお別れ(ロング・グットバイ)」の登場人物であるレノックスが、主人公フィリップ・マーロウとのやりとりの中、もっとも有 名な名 科白(めいせりふ)のひとつである「ギムレットには早すぎる。」があります。ギムレットの意味は、ジンとライム・ジュースを使ったカクテルを指していま す。小説の著者であるレイモンド・チャンドラーは、アメリカシカゴ生まれの20世紀もっとも著名なハードボイルド作家の1人です。また国内でもこの小説 は、清水俊二や村上春樹の翻訳でも多く世にも知られ、ロバート・アルトマン監督により1973年にも映画化されました。

この二人展では、この名科白をタイトルに引用し、ハードボイルドにも通じる真摯な姿勢、表現に立ち向かう新鋭アーティストの紹介を目指していくものです。第一回目は、水野誠司・初美(写真)、川崎輝正(写真)に注目いたします。

[作家プロフィール]
水野誠司・初美は、名古屋に在住する夫婦共同で活動を続ける写真家です。2003~2006年フィンランドで写真学科に在籍し、フィンランドの写真プリン ターの第一人者 Stig Gustafssonに師事します。19世紀後半からフランスにて発した美術運動である印象派の影響を大きく受けた静謐感ある作品には、オルタナティブプ リント法(プラチナ・パラディウムプリントやサイアノタイプ)を用いることにより、銀塩写真やデジタル写真では見い出せない質感や表現の奥行きを生み出し ています。夫妻の美学は、さらなる真摯な追求を続けています。
http://puukko.web.fc2.com/

川崎輝正は、滋賀に在住する近年注目されつつある若手写真家です。川崎は、関西の写真家との交流から、国外の写真芸術の影響を受け、2006年ヴィ ジュアルアーツ大阪を卒業します。その後も、関西を中心に地道な制作活動を継続しています。近年の発表には、愛知(GALLERY M)や東京(art & river bank、可喜庵、Gallery Kobo CHIKA)にて紹介されています。近作にあたる【The Unobserved Flash】、【Space – boundary with outside -】、【small snow mountain】には、19世紀から20世紀初頭の写真表現の潮流であったピクトリアリスム(ぼかしなどの技巧や被写体の配置を重視した事象)にも似た 影響も垣間みることもでき、現代に新たな印象を生み出しています。
http://terumasakawasaki.com/

レセプション:2月16日(土) 午後5時より

全文提供:雅景錐


会期:2013年2月15日(金)~2013年3月9日(土)
時間:金、土曜日12:00~19:00*上記以外の日時については、アポイント制/不定休有 ファースト・フライディ:毎月第一金曜日は午後9時まで
会場:雅景錐

最終更新 2013年 2月 15日
 

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