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ミヒャエル・クーデンホーフ=カレルギー絵画展 ~時空の境目を彷徨うヨーロッパ幻想絵画~
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 2月 14日

「ザルツブルグ(ミラベルの庭園)」
油彩 15号

現実のベールから描き出す、夢想の光芒

日本に深い縁を持つ画家、ミヒャエル・クーデンホーフ=カレルギーは、明治時代にオーストリア・ハンガリー帝国のハインリッヒ・クーデンホーフ伯爵と日本初の正式な国際結婚を果たした日本人、青山光子を祖母に持ち、また欧州統合の理念の先駆けとも言うべきパン・ヨーロッパ運動の提唱者リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギーを伯父に持っています。19世紀においてヨーロッパの一大中心地だったウィーンはジャポニズムが広く受け入れられ、ウィーンと日本、ウィーン幻想派と日本文化は、淵源を辿ると奥深い繋がりがあるのです。

彼はエルンスト・フックスをはじめ、ウィーン幻想派を代表する芸術家達からの助言を受け、同派の中心的存在として活躍しました。世界各国で展覧会を開催し、世界中にコレクターが存在する彼の絵画は、日常が優しい眼差しで見つめられ、画面へと切り取られた情景であり、現実の中にある夢想性に溢れたシーンを垣間見せてくれます。そうして穏健な風景が装飾的に描き上げられ、ノスタルジックな世界へと生まれ変わっていくのです。現実と幻想をたゆたうような不思議な存在感を漂わせ、ファンタジーの限りない世界が卓越した技術を通して現れ出ています。

今展では、新作の油彩画と水彩画を中心に展開いたします。華麗に彩られた、格調高き絵画は見る者を別の次元へと連れて行ってくれます。透明な色彩のみずみずしさと、神秘的な濁りが溶け込んでいく、豊潤な姿に魅了されます。繊細で優雅な描写による、まるで宝石箱のような珠玉の絵画をお楽しみ下さい。


全文提供:Bunkamuraギャラリー
会期:2013年3月13日(水)~2013年3月24日(日)
時間:10:00~19:30
会場:Bunkamuraギャラリー
最終更新 2013年 3月 13日
 

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