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Reiko Ituki
Events
Published: January 29 2013

 

五木玲子 不世出の画家。 50歳を過ぎて裸婦を描き始めてより以後、十数回の僅かともいえる各個展会場において、絵の前を立ち去ろうとはしない多くの鑑賞者がいた。
五木玲子の作品は、初期の素描画から既に独自のスタイルを持っていた。 鉛筆、パステル、銅版画、リトグラフ、木版画など、素材や技法は変わっても一貫して対象物の奥深くに沈み込み、その生命のぎりぎりの発露を強靭な線で表している。
このたびは、78歳の現在までに描いた作品の中から、五木玲子作品の線に注目し、素描やデッサンの作品から、創作の根源に迫ろうとするものです。
五木玲子は枯れた花、枯れかけた花をよく取り上げる。老いや死滅を真正面から描きたい、生命の存在の根っこを自分でしか描けない線で表現したいという熱意が靱(つよ)い線となって現れている。 デッサンをもとにして制作されたリトグラフや銅版画、木版画はこの靱い線が鋭く主題を現すものとなっている。 生かされている悲哀、いのちの鼓動が聞こえるような花たちや人物画など25点を ご高覧願います。

[作家プロフィール]
五木玲子

1934年 金沢生まれ。早稲田大学文学部及び東邦大学医学部卒。
1965年 五木寛之氏と入籍。精神科の病院に数年間勤務する。
1981年 (未来工房)の豆本「風に吹かれて」の装幀を担当。
1984年 (日刊ゲンダイ)連載の五木寛之「流されゆく日々」のカット担当。
1988年 カルチャーセンターの「裸婦デッサン教室」に入り、はじめて裸婦を描く。
1994年 (ミセス)連載の五木寛之氏「生きるヒント」のイラストレーション担当。
1995年 ( LEE )連載の五木寛之氏「こころ・と・からだ」のイラストレーション担当。    
以後「大河の一滴」、英文版「TARIKI」、復刻版「風に吹かれて」、「運命の足音」等 、
五木寛之著作など約30冊の装画を担当
1996年 初個展「SOUL & BODY」展 (東京、PIGA原宿画廊) 
小品集「Soul & Body」(深夜叢書社) 刊行
1999年 版画工房 プリントハウスOM(横浜 主催 尾崎正志氏)にて銅版画の制作開始
個展「野生の花と女」 展 (東京、PIGA原宿画廊) 
小品集「野生の花と女たち」(エディションOM) 刊行
2000年 「プロテアシリーズ」を手始めとして、リトグラフを中心に、銅版画、木版画の制作を続ける。
2001年 (講談社)より五木寛之氏「日本人のこころ」全8巻の装画を描く。
2002年 (講談社)より画文集「花の見た夢」文・大田治子、画・五木玲子 刊行
2002年 版画作品個展「悲歌・花の見た夢」展 (横浜、ギャラリーOM)
2003年 個展「花の見た夢」展 (大阪、JR大阪セルヴィスギャラー)
小品集「花に寄せて」「版画シリーズ」(エディションOM) 刊行
2004年 個展「五木玲子版画展」(山形 蔵オビハチ)
(講談社)より画文集「風の見た夢」文・大田治子、画・五木玲子 刊行
版画作品個展「風の見た夢」(東京、丸善丸の内本店ギャラリー)
2005年 個展「風の見た夢」刊行記念展 (大阪、阪神百貨店美術画廊)
2006年 個展「花に問い風に聴く」五木玲子作品展 (金沢、エムザ丸越)
2007年 個展「五木玲子作品」展 (長野県 松本市美術館市民ギャラリー)
2009年 グループ展「日本の版画工房 東西の作家展」出品 (大阪ワイアートギャラリー) 
2010年 「赤旗」連載の太田治子エッセイに花のリトグラフをイラストレーションとして提供
2011年 「天の花 地の花 五木玲子画集」柘植書房新社より刊行


全文提供:Y.Art-Gallery
会期:2013.2.12~2013.2.24
時間:11:00〜19:00 (final day - 18:00)
Closed on Mon.
会場:Y.Art-Gallery
Last Updated on February 12 2013
 

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