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長井朋子:どこかと、どこかでドラマチックは折々と
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2012年 12月 26日

 

「日常の中で、いつもの風景が一瞬ドラマチックに輝いて見える瞬間がごくごくたまにあると思います。そのドラマチックの瞬間は自分自身の気分とか、時間帯や天候や季節や様々な要素が運命的にギュッと揃って起きる出来事です。例えば、散歩中に風が吹いて落ち葉が一斉に降ってきて黄色に囲まれた瞬間などです。今回の展示はそんな貴重なドラマチックを絵の中に閉じ込めて、そこへ自分なりの理想や願いを加えて、真空パックみたいにした展覧会になればいいなと思って作品を作ってきました。」

今回の展覧会に関して、長井は以上のように述べました。このような奇跡的な瞬間を閉じ込めた新作のペインティングを約10点、また同じく新作のドローイングを約15点展示いたします。長井はその空間が作品世界を表すかのようなインスタレーションを行いますが、今回の個展でも2つある展示スペースのうちの一方にて展開する予定です。

また、長井は昨年の日本で起きた地震と津波の被災地の一つである、宮城県七ヶ浜にある保育園にてプールに絵を描くプロジェクトに携わっています。この保育園はシンガポール赤十字社による全額サポートにて現在建設されているもので、2011年の七ヶ浜町遠山保育所改築設計プロポーザルコンペにおいて、日本人の若手建築家、高橋一平が最優秀賞を獲得したものです(竣工予定は2013年3月)。本展覧会がシンガポールで行われることもあり、このプロジェクトに関わる模型やドローイング、長井がプールのために描きおろした下絵2点なども展示いたします。

[作家プロフィール]
長井朋子は1982年愛知県生まれ。2006年、愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻を卒業。現在、東京を拠点に制作活動を行っています。
最近の個展では「木枯らしと、こんこ」(小山登美夫ギャラリー京都/TKGエディションズ京都、2011年)、「小さい惑星とたくさんのキッドたち」 (Mama Kid、香港、2011年)、「続・ほんとうかもしれない」(六本木ヒルズ アート アンド デザイン ストア A/D GALLERY、東京、2012年)などがあります。最近のグループ展では「VOCA展2010現代美術の展望-新しい平面の作家たち」(上野の森美術館、東京、2010)、「Passion Fruits Picked from The Olbricht Collection」(me Collectors Room Berlin、ベルリン、ドイツ、2010年)、「Pathos and Small Narratives」(Gana Art Gallery、ソウル、韓国、2011年)、「JAPANCONGO」(Le Magasin - Centre National d\'Art Contemporain、グルノーブル、フランス、2011年)、「Future Pass - From Asia to the World」(第54回ヴェネツィア・ビエンナーレ関連企画展、Palazzo Mangilli-Valmarana、ヴェニス、イタリア、2011年)などがあります。
作品は高橋コレクション(日本)、オルブリヒト・コレクション(ドイツ)、ザブラドウィッチ・コレクション(イギリス)、ジャピゴッツィコレクション(スイス/アメリカ)などに収蔵されています。


高橋一平は1977年東京生まれ。2002年に横浜国立大学大学院修了後、西沢立衛建築設計事務所入社。「森山邸」「十和田市現代美術館」など、数多くのプロジェクトを担当。2009年に同退社後, 高橋一平建築事務所を設立。進行中のプロジェクトとして、「七ヶ浜町遠山保育所」(設計プロポーザル最優秀賞)、「12部屋のアパート」(SDレビュー2012入選)、「JR吉備線新LRT駅広場」(設計プロポーザル最優秀賞)などがあります。2012年より横浜国立大学大学院建築都市スクールY-GSA研究教員。


全文提供:小山登美夫ギャラリー シンガポール

会期:2013年1月18日(金)~2013年2月24日(日)
時間:12:00-19:00 / 日曜日 12:00-18:00
休日:月・祝
会場:小山登美夫ギャラリー シンガポール

最終更新 2013年 1月 18日
 

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