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マストワン:妖怪
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 6月 07日

copyright(c) MUSTONE

マストワンの新作個展「妖怪」。2005年以来、約3年ぶりの当ギャラリーにおける個展となる本展では、過去のキャンバスとオイルチョークを中心とした平面作品から一変し、新たにシリコン樹脂を用いた平面作品及び立体作品などを展示いたします。 マストワンは、自身の表現活動の根幹を担うインスピレーションとして、日本古来から伝わる魑魅魍魎(妖怪)に関する表現について、独自の研究を進めてきました。時にコミカルに、時にシリアスに、時に人々を困らせる悪として、時に人々を戒める善として描かれる妖怪。マストワンはその存在に魅了される人々の精神性に注目します。

私たちが、しばしば感じ取る神秘や畏怖といった観念は、マストワンの作品における最も重要な要素です。「宿る」という言葉に象徴されるように、人間の最も研ぎすまされた感性が感じ取る“何ものか”を、マストワンは妖怪として描き出します。マストワンの描く妖怪画が、ステレオタイプのモンスター像ではないのは、そのためです。

本展に向けて、マストワンは自身の特別な体験を基に、作品のモチーフを厳選しました。今回描き出された作品たちは、マストワンが覗き見たパラレルワールドに生きるモノたちの形象であり、またそれによって彼自身が救われるような「快感」を追求して表現されたものです。マストワンは「怪に魅了される快楽即ち怪楽」と語っていますが、その心は私たち万人に宿る感性なのではないでしょうか。

マストワン(1976年生まれ):1998年に多摩美術大学デザイン学科を卒業。グラフィティアートの影響から「MUSTONE(マストワン)」と名乗り、アート集団「iseneehihinee (他社比社)」に所属。以後、ストリートシーンを中心としたインディペンデントな活動を続け、新しい表現に敏感な若者たちから絶大な支持を集めている。また、アナログとデジタルを融合したライブペインティングは、新しいアートパフォーマンスの一形態として、高い評価を得ている。展覧会:「YO-KAI 展」(NANZUKA UNDERGROUND 2006年)、個展(徳島県立近代美術館ギャラリー2006年)、PULSE NY(2008年)ライブペインティング:「愛・地球万国博覧会05」(名古屋 2005年)、「Adobe Photoshop World 05」(品川プリンスホテル 2005年)など

※全文提供: ナンヅカアンダーグラウンド

最終更新 2009年 6月 27日
 

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