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Atsuo Ogawa:animation
Events
Published: December 17 2012

animation 2 (left), animation 3 (right)
2012
109 × 79 cm each
ballpoint pen, bees wax, paper

このたび、ベイスギャラリーでは下記の要領で小川敦生「animation」展を開催いたします。

小川が選択する支持体は紙、黒板、ガラス、木、石鹸といった、おおよそ書きつけられる全てに及んでいます。 ペン、チョーク、ニードル、描く道具は支持体によるものの、すべて全体は1 本の線で繋がっています。 行く末を見越し、企図に従って筆を動かすのではなく、むしろ無意識に動いてしまう、いわば手が持つ本然的な何かに任せて線は描かれています。 更にカリカリと音が聞こえてくるかのようなこの線は、見る私達に手と支持体の静かなせめぎ合いを肉感的に伝えてきます。 小川の線は、私達がかつては持っていた描く欲望を改めて覚醒させ、更に小さな創造の欲望を召還し、ついに思わず手を動かす衝動にまで牽引してしまう。 紙に蝋引きし、更なる抵抗の肌触りを仕掛ける。 紙を重ね合わせて生み出される重畳的な線は不思議な深さを作り、一層私達の手に動く衝動を喚起し、描く衝動を呼び覚ますのです。 小川の作品は人の深いプリミティヴな場所に向かい、共振を静かに迫ってくるのです。

2010 年東京都現代美術館での石鹸を用いた作品は大きな評判を呼びました。 本展は海外でも発表が続く小川のBASE GALLERY での初の個展となります。 ご高覧の上ご喧伝賜りたくご案内申し上げます。

[作家コメント]
一 本䛾線がぐるり輪を結ぶ中に、反復、逸脱…現象䛾ある僕䛾ドローイングに何を見る䛾か、アニメーションで動かしてみて䛿と勧めてくれる人が時折ある。画が 動くまで䛾工程を想うと眩むが、アニメーション䛿連続する画䛾残像効果に動きを錯覚する、言ってみれ䜀静止画䛾連続だ。なん䛾こと䛿ない、そ䛾人䛿描き連 䛽られた作品䛾並びに動きを見た䛾だろうし、僕䛿僕で今までもこれからも描き続けること䛾奈落に眩んだ䛾に違いない。繰られた画䛿観者䛾脳に補正され、滑 らかに動き出す。そうであれ䜀アニメーションを構成する画と画䛾間に䛿、誰とも共有し得ないそ䛾人䛾みが目にした像がある䛿ずだ。スローモーションで再生 してみよう、コマとコマ䛿離れ、間を繋ぐ闇が大きくなる。全て䛾連続䛾間隙に䛿暗闇が挟み込まれ、そこに脳䛿辻褄合わせ䛾景色を描く。裏と表、右と左、前 と後、昨日と明日、過去と未来…それらを繋ぐ䛾䛿、目にした者それぞれ独自䛾変容。重䛽られた像と像䛾間、今ここにある現在䛿、あなたにしか立てない視座 だ。

2012年12月
小川敦生


全文提供:BASE GALLERY
会期:2012.12.15~2013.2.8
時間:11:00 ─ 19:00
closed on Sunday and national holidays ※ Winter holidays : 2012.12.29 - 2013.1.9
会場:BASE GALLERY
Last Updated on December 15 2012
 

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