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田村 一:Deep Freeze
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2012年 12月 14日

 

田村一は天草の磁器土を使い、「土の変性、轆轤の表現をどのように拡張するか」をテーマに、青磁と白磁の器を中心に制作しています。磁器特有のシャープで透明感のあるマットな地肌と、鎬(しのぎ)や轆轤目(轆轤を回転させて周回状につけられる痕)によって生み出されるリズミカルな陰影、またその溝に流れ入った釉薬がみせる露のような艶めきや滲みが、浮遊感のある優しい表情を生み出しています。特に南宋青磁を彷彿とさせる透き通った水色の釉薬は、作家が学生時代から配合の研究に取り組んでいる思い入れのあるものだと言います。轆轤で成形されたあとに大きく口縁を歪めたり、切り込みをいれたり、貼り合わせてできる有機的なフォルムの器は、海をたゆたう海洋生物や貝殻、植物のようでもあります。近年は深鍋やジンギスカン鍋といった耐熱陶器、土に赤い顔料を混ぜた淡いピンク色のシリーズなど、精力的に表現の幅を広げています。

[作家プロフィール]
田村一は1973年秋田県生まれ。1992年 早稲田大学大学院修了後、東京で作家活動を開始。2002年から栃木県芳賀郡益子町、 2011年から秋田県を拠点に制作しています。ギャラリー無垢里(東京、2004年〜)、ココラボラトリー(秋田、2008年〜)、graf(大阪、2008・11年)、うつわクウ(兵庫、2009・11年)、PLAIN PEOPLE(東京、2010年・12年)などで個展を多数開催。2009年より漫画「へうげもの」(山田芳裕著)とのコラボレーションを開始。2010年より若手陶芸家の組織「イケヤン☆」のメンバーとして展覧会に参加しています。小山登美夫ギャラリー京都のTKGセラミックスでは初めての個展となります。

オープニングレセプション 12月14日(金) 6:00 - 8:00pm
*[アーティスト・トーク] ギャラリー内 :12月14日(金) 5:30pm -(ご予約不要)

全文提供:TKGセラミックス


会期:2012年12月14日(水)~2013年2月19日(日)
時間:11:00 - 19:00
休日:日・月曜、祝日、冬期休廊:2012年12月23日(日)- 2013年1月7日(月)
会場:TKGセラミックス

最終更新 2012年 12月 14日
 

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