| EN |

江波戸龍:対話の過程で失われるもの
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2012年 10月 29日

[Lost in conversation」
91.0x81.0cm
acrylic on canvas
2012

11 月 3 日(土・祝)より Gallery 惺 SATORU にて「江波戸龍―対話の過程で失われるもの―」を開催致します。

江波戸龍(えばと りゅう)は 2010 年に多摩美術大学大学院絵画専攻領域を卒業。人間が本来持っている不安や恐怖心といった、あまり人には見せたくはない心の揺れを描いてきました。 人と人が対話(言葉)によって理解しようとしても、実際には完全に理解することは出来ません。言葉だけでは不完全であることに気づき、「伝わらないが大切であるもの」を見ようとすること、視覚化しようとしたのが今回の展覧会です。

本展で展示される作品はすべて横向きの人物像(または動物)で、その視線の対象は特定されていません。しかし作品を観る者は、横顔のため無防備になったその表情やしぐさを見つめることにより、言葉では伝わらなかったものを汲み取るが出来るのです。 作家が社会に出て体験した人間関係、コミュニケーションの複雑さ、もどかしさを感じながら制作したと言うこれらの作品を通し、対話というものが持つ様々な問題について考える機会になれば幸いです。

[作家コメント]
「対話の過程で失われるもの」

わからなさ というのが制作の糧である。学生の頃は自分へのわからなさが一番に比重があったのだけど、社会に出た事で多くの人と関わるようになったここ3年は、わからなさの対象として対話に比重が移って行った。
心の中にあっても言葉にしようとすると遠ざかってしまうもの 意思の疎通は出来るのに完璧ではない事を発見した事は心と言葉 言葉と言葉の間にある失われたものを意識させられた。それは目に見えないし言葉にできないものだけど、大切なものであるという感覚があり、なんとか拾って形にしたいという思いがある。
表現されたもの 語られたものが全てでは無くて、その奥の想いの様なものを汲み取る事が、今の僕には必要なのである。

江波戸 龍

[作家プロフィール]
江波戸龍

1984 東京生まれ
2008 多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
2010 多摩美術大学大学院絵画専攻油画研究領域修了

Solo Exhibition:
2009 “Emotion” アートアイガ
Group Exhibition:
2008 “FIXED POINT‘08”Gallery 惺 SATORU
2010 “FLOWERS~Like a wildflower”Gallery 惺 SATORU
2012 “迎春”Gallery 惺 SATORU

opening reception:11/3 17:00-19:00

全文提供:ギャラリー惺SATORU


会期:2012年11月3日(土)~2012年11月25日(日)
時間:11:00~19:00
休日:月、火   11/23 祝日開廊
会場:ギャラリー惺SATORU

最終更新 2012年 11月 03日
 

関連情報


| EN |