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Kohei Kobayashi:Your mouth is a vacuum cleaner, to be displaced and connected to the power with its nozzole being held by hands, and speaks by vacuuming
Events
Published: October 19 2012

 

山本現代では、来る2012年11月17日(土)から12月15日(土)まで、小林耕平 個展「あなたの口は掃除機であり、ノズルを手で持つことで並べ替え、電源に接続し、吸い込むことで語る。」を開催する運びとなりましたのでご案内申し上げます。
映像作家・小林耕平の活動は、ここ10年あまりの間に大きく変化しています。注目されるきっかけとなった、低解像度監視カメラでの撮影による閉鎖空間の中で人物の曖昧な影がうごめく1999年制作のモノクロ映像「1-3-1」にはじまり、2000年代半ばには、人物の影の映像に加え、関係性が希薄でどこか不穏な行為や風景の断片が連なる「2-2-1」のような作品を発表しました。そして、ある街の道端にペットボトル、ビニールひもや紙くずなどの何気ないモノが意図的にちりばめられ、作家自身がゴミ拾いをしたり、自転車に乗ったりと、ありふれた行為を淡々と続ける「2-8-1」のような2000年代後半の作品へとつながっていきました。
2009年制作の「2-9-1」では、室内において、ティッシュ、石、ピンポン球、水槽などの、以前の作品と同じくごく平凡なモノを用いて、明確な目的がない行為がくりひろげられます。そこに必ずしも映像の時間軸に対応しない声と字幕による解説を加えることによって、私たちが遭遇するモノ/行為/言語における関係性の認識に生まれるズレや揺らぎを浮かび上がらせました。これらの活動は『ヴィデオを待ちながら』(国立近代美術館、2009)、『PLATFORM 2011 小林耕平』(練馬区立美術館、2011)、『Double Vision : Contemporary Art from Japan』(モスクワ近代美術館他、2011)などで国内外に紹介されています。
また、近年小林は映像を使い取り組んできたこうしたプロセスを、パフォーマンスという形式でも積極的に展開するようになりました。本年9月に国立近代美術館(東京)で開催されたパフォーマンスシリーズ「14の夕べ」では、文学・パフォーマンス研究者の伊藤亜紗氏が書きおろしたテキストをガイドとして、core of bells の山形育弘氏との2時間にわたるパフォーマンスを行いました。伊藤氏は、たとえばある女優のテレビでの「スイカはカブトムシの味がするからきらいだ」という発言を例に、女優、カブトムシ、スイカそれぞれの性質が貸し借りされ「認識的飛躍」が生まれることを指摘し、同様に「人」の性質を「山」に貸し与えることにより、「時間的飛躍」を生むことができるだろうと説明しています。このテキストにもとづいて組み立てた「オブジェクト」が全体に配置された同美術館の展示室において、小林はタイムマシンの構造を言葉によって解説しようとし、さらにタイムトラベルの実践を試みました。
本展「あなたの口は掃除機であり、ノズルを手で持つことで並べ替え、電源に接続し、吸い込むことで語る」は、この国立近代美術館でのパフォーマンス時に制作したオブジェクトと映像作品「タ・イ・ム・マ・シ・ン」、及び伊藤氏による新テキストをもとにした新作映像作品に加え、「2-9-1」の続編の二部構成で行われます。
なお会期中の11月22日(木)には、展示スペースでの公開パフォーマンスも予定しており、伊藤氏による新しいテキストに沿って構成しなおされたオブジェクトとともに複数の映像とパフォーマンスを平行して提示してみせることで、モノ/行為/言語の認識をめぐって生まれる「飛躍」の可能性と不可能性を私たちに体験させることを試みます。

オープニングレセプション:2012年11月17日(土)18:00〜20:00  ※作家来廊予定

公開パフォーマンス 小林耕平×山形育弘(core of bells)
2012年11月22日(木) 19:30〜21:00  入場無料/予約不要


全文提供:YAMAMOTO GENDAI
会期:2012.11.17~2012.12.15
時間:11:00〜19:00

会場:YAMAMOTO GENDAI
Last Updated on November 17 2012
 

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