心と暮らしを彩る絵画たち 花、パリ、ティータイム、アートブック、赤いソファ。 　笹尾光彦は、自身の愛するものをキャンバスに描きだします。それは決して特別で高価なものではなく、お気に入りのものを長く持ち続けることや、何度訪れても刺激を受ける場所や、心が安らぐひとときです。それらは時に、一定に流れる時間にリズムをもたらし、モノトーンに映る光景に彩りを添えます。笹尾の油絵を部屋に飾る時も、それと良く似た幸福感を味わう事ができます。寂しげだった壁がぱっと明るくなり、そこに暮らす人の心までも晴れやかにしてくれるのです。 　長年広告業界でクリエイティブディレクターとして活躍した経歴を持つ笹尾。それまでの経験で培った優れたデザイン性と色彩感覚で描かれる作品は、シンプルでありながら、決して飽きることのない魅力を持っています。それはきっと、キャンバスの中のモチーフたちに対する愛着が表れ、鮮やかな色彩と心地よい空間のバランスで生き生きと描かれているからなのです。 　 　1998年のBunkamura Galleryでの初個展以来、15回目を迎える今展では、自身の部屋やリビングをテーマにした新シリーズを発表します。また、今春スケッチ旅行で訪れたパリの思い出を詰め込んだ小作品も展開します。部屋に花を飾った時の様に、明るく清々しい、暮らしに溶け込む暖かさに満ちた笹尾光彦の世界をお楽しみください。

［作家プロフィール］
笹尾光彦

1997　クリエイティブディレクターとして活躍した後、画家として独立
1998　個展 / Bunkamura Gallery（以降毎年開催）
2003　「橋本不二子・笹尾光彦 2人展―花のある部屋―」/ Bunkamura Gallery
2004　GALLERY GINZA ESTオープニング記念展
2005　個展 / 名古屋松坂屋本店
2006　個展 / 阪急百貨店大阪・うめだ本店
2008　「IDEE X’MAS+SASAO and TETSUYA KATO」 / IDEE
個展 / 大丸東京
2009　個展 / 静岡伊勢丹
2010　個展 / 大丸東京
「IDEE X’MAS+SASAO」 / IDEE
2011　個展 / 成城さくらさくギャラリー
個展 / 新宿伊勢丹