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谷口正彦:水龍根
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2012年 10月 03日

谷口正彦

ブルームギャラリーでは、谷口正彦写真展「水龍根」を開催いたします。 前作「地底のバロック」に続き、本展覧会でも木の根をテーマとした作品を展示いたします。 是非ともご高覧ください。

[作家コメント]
木の根が龍のごとく這い回る造形美に惹かれて 木の根写真を追い続けている。

富山魚津に数千年前の縄文杉の根が水中で眠る 埋没林樹根がある。

二千年の時を経て、薄暗い水中でそれは ゆったりとした触手を存分にのばしながら深い眠りの時を過ごす。

一本一本の蛇行する線は 蛇塚のごとく複雑に絡み合いながら 確かな各々の意思を持って伸びた軌跡。
奔放にうねりつつ広がりながらも それは一つの大本へと収束し 地から吸い上げたものを地上へと運び上げた、という生きたあかしを残す。

自由でありがながら何かのための目的を持って生きること。

一つ一つの根は 人生を象徴する何かにも思える。

長い生、短い生、曲がりくねった生、折れながらもそこから方向転換をして 生きることを余儀なくされた生、空洞になりながらも皮一枚でつながっている生。

個々別個の道筋をたどりながらも 確実にどこかにつながっている何か。

そういうことに思いをはせながら眺めていると 時折あらわれる 地下水の気泡が描く波紋。

静かに眠る龍神のような様を 心のおもむくままに描き撮ってみたいと思った。

谷口正彦

全文提供:ブルーム・ギャラリー


会期:2012年10月30日(火)~2012年11月11日(日)
時間:12:00~19:00(最終日~17:00)
休日:月
会場:ブルーム・ギャラリー

最終更新 2012年 10月 30日
 

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