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村上将城:landschaft
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2012年 9月 24日

(C)Masakuni MURAKAMI《landschaft #5》, 2007, 13″×19″, B&W photograph

《landschaft》#5は、飛行機の窓から見える大地を 撮影したモノクロームの写真です。この写真は鑑賞者を不思議な感覚に襲い、風景でも景観でもない時の狭間に直面させます。

村上は《landschaft》シリーズについて以下のように述べています。

「日本に於ける一般的な[風景]という概念に収まらない[景観 – 人間の視覚によって捉えら れる認識像 -]をどのように眺め、切り撮り、見せることができるのか模索しています。そのため、タイトルは「風景」だけでなく「景観」の意味を含むドイツ語の 《landschaft》という単語を用いています。」

このような村上の「風景/景観」に対する視点の要因には、写真家ハイディ・ シュペッカー(ライプツィヒ視覚芸術アカデミー)の研究生時代から得た経験が大きく働いています。そして、村上の視点には、ニュートポグラフィを代表する写真家であるルイス・ボルツにも共通する時の消失感を垣間みることができます。ボルツは、 独自のミニマリズム的思考によるアプローチによって、 時の消失感を表現した作品群で知られる写真家です。 村上の写真には、ボルツに通じる概念や傾向が見え、 鑑賞者の不確かな記憶に呼びかけます。

雅景錐では、京都初個展となる村上の代表作 《landschaft》をぜひこの機会にご高覧頂ければ幸いです。

天野雅景 (写真家、雅景錐クリエイティブディレクター)

レセプション:9月29日17:00より

全文提供:雅景錐


会期:2012年9月29日(土)~2012年10月20日(土)
時間:12:00-19:00
会場:雅景錐

最終更新 2012年 9月 29日
 

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