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The Beauty or The Beast?
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 5月 26日

アガタ・ニテカ写真作品 | copyright(c) Agatha Nitecka

美しいものと醜いものは両極端なものとは決して言い切れない。美女と野獣の間にある差異は本当に対極を成しているのか?時には恐ろしさを漂わせる美もあり、美しさや愛おしさを想わせる醜さもある。美女の中に野獣が在り、そのまた逆も可能性として在り得ると考えられるのではないだろうか。美しいとされるものと醜いとされるものを分ける境界線は我々が思うほどはっきりしたものではなく、絶えず流動する曖昧なものである。二つの異なる要素の間には常に境界が見られるが、それもまた同じことであり、何らかの曖昧さが社会の必然性において線引きを成されるにすぎない。

The Beauty or The Beast? は展示を通しこの曖昧さと境界が織りなす不可解な蠢きに焦点をあて、探ろうとの試みである。

茂谷さやか・三宅由梨

本展は、2008年2月に南ロンドンのハウス・ギャラリーで行われたロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ卒業の若手女性アーティストたちによるグループ展"The Beauty or The Beast?"の第二弾である。

映像や彫刻、ドローイングなどそれぞれ独自の方法で曖昧さと境界を暴こうと試みる若手女性アーティストたちによる作品群はセンシュアルでありながら挑発的。曖昧さと境界について探っていくということは自らの存在を引き裂くことにも繋がりかねない危険で苛烈な企てとも言えるが、作品群から見えてくるものはちょっとした毒のあるユーモア、そして生きるということへの愛おしさである。魅せられるか、恐れをなすか。あるいは・・・。観る者のリアクションこそがこの展示を完成させるであろう。

参加アーティスト:アガタ・ニテカ、ペイ・チュン・リゥ、岩瀬知歩、白崎真理、三宅由梨、茂谷さやか。

※全文提供: Gallery Q

最終更新 2009年 5月 25日
 

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