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コレクション展 2012-秋
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2012年 9月 13日

石垣 栄太郎《拳闘》1925(大正 14)|油彩、キャンバス 75.4×91.2cm

当館は、1963(昭和38)年に開館した和歌山県立美術館を前身として、1970(昭和45)年11月、県民文化会館内に開館しました。明治以降の和歌山ゆかりの作家を紹介することを中心に活動を続け、1994(平成6)年には黒川紀章の設計による現在の建物でリニューアルオープンしました。それに伴い、作品収集の範囲を国内外に広げ、現在では総数一万点を超える作品を所蔵しています。コレクション展においては、幅広い美術の表現に接していただけるよう、季節ごとに展示を替え、さまざまな観点から作品紹介を続けています。

本展では、「二人の時をめぐって」と題して、今年生誕120年を迎える和歌山生まれの作家、田中恭吉(たなか・きょうきち 1892-1915)と川口軌外(かわぐち・きがい 1892-1966)が生きた時代の作品を中心にご紹介します。彼らが生まれた頃、新しい素材であった油彩による写実描写を追求していた神中糸子らにはじまり、保田龍門、建畠大夢、石垣栄太郎、村井正誠など郷土ゆかりの作家とともに、近代美術の代表的作家による作品の数々をご覧ください。

同時代の作品のすべてが、それぞれの作家に、彼ら自身にとって重要と意識されていたわけではないでしょう。しかし、作家は自らをとりまき、 彼らの制作環境の基調をなす多くの作品のなかで影響を受けながら、そのひと独自の表現を育んでいくのです。彼らが目にしていたなら、共感し、憧れ、あるいは反発したであろう作品の数々を、それぞれの視点に立って見なおしてみると、二人の作品に対する新しい視点を得ることができるでしょう。あわせて二人が生きた時代以降の作品を「私たちの時へ」のコーナーで展示します。出品作品はおよそ100点の予定です。

【おもな出品作品】
神中 糸子《海岸風景》1888-1892(明治21-25)油彩、キャンバス 38.0×80.4cm
保田 龍門《自画像》1915(大正4)油彩、キャンバス 60.9×50.2cm
石垣 栄太郎《拳闘》1925(大正14)油彩、キャンバス 75.4×91.2cm
村井 正誠《クリジフィ》1947(昭和22)頃 油彩、キャンバス 100.0×80.5cm

全文提供:和歌山県立近代美術館


会期:2012年9月11日(火)~2012年11月25日(日)
時間:9:30 - 17:00(入場 - 16:30)
休日:月(9月17日、10月8日は開館、翌火曜日休館)
会場:和歌山県立近代美術館

最終更新 2012年 9月 11日
 

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