このたび、Bambinart Galleryでは2012年9月5日（水）から9月23日（日）まで、坂田 あづみ“わたしはおそれない”を開催いたします。

人 ではない何か「いきているもの」を、主に布、糸、刺繍などを用いて制作する坂田あづみ。本展では、それらの作業を経ることなく表現した絵画作品を発表しま す。坂田にとってペインティングやドローイングは、普段の制作の工程（＝纏うもの）が取り払われることで、ときに無遠慮に作品として成立します。 その結果として、より作者と近い、あるいは無防備でリアルな媒介となって存在しています。 本展では、新作ペインティングを中心に近作を含めた平面絵画作品を発表します。

［作家コメント］
私たちが「おそれているもの」とは何だろう？

死はもちろん未来のある生にでさえ、常におそれを持って生きています。
見えない存在や今の環境を脅かすものに対して世の中は恐怖で満ちている。
おそれは私たちを過去にとどまらせ、憎しみを生み、怒りをつのらせます。

おそれを克服してそれを解消したらどうなるのだろうか？

今まで私はおそれを感じるものを描く事でその疑問を解き明かそうとしてきました。
例えば作品のモチーフにある布のドレープはゆるやかな時間の経過やくりかえされる様々な感情、そして肉体の変化を、ミイラやさなぎは必ずやってくる死と永遠の命への憧れに対して。
何者かわからない「いきものたち」はおそれ自体であったり、または自分を許した後の抜け殻だったりします。
水や土の中など生存不可能な場所も大切なモチーフの一つです。

おそれに立ち向かい、すべてを受け止め、自分の魂から逃げない。
そして本当の魂に出会えた時、そこにはきっと愛が満ちているのだろう。

しかしそこに到達するのは困難で、ちょっとやそっとではなかなか辿り着けないのです。
私はおそれを描き続ける事で未だ見えないあこがれの魂に向かって精進しているようです。

坂田あづみ

［作家プロフィール］
Azumi Sakata

神奈川県生まれ
1994武蔵野美術大学 造形学部 油画学科 版画コース 卒業
1997イギリス王立芸術大学院（Royal College of Art）版画コース修了

【主な展示】
個展
2012「わたしはおそれない」 Bambinart Gallery、東京
2007「Expecting」 Tete Dining Gallery、東京
2004「Happiness」 Media Centre Brighton、ブライトン

グループ展
2011「あめつちのはじめ（坂田あづみ・塩川彩生2人展」
Bambinart Gallery、東京
2009「鈴木亘彦・鶴田比呂彦・坂田あづみ3人展」
サボア・ヴィーブル、東京
2008「100year of approach between Japan and Brazil」　Fundacao Memorial、サンパウロ
2004「Happiness」　Infinity Foods Cafe、ブライトン
2001「ハッピーアンブレラ2001」　ガーディアン　ガーデン、東京
1998「Watch 2001」　ガーディアン　ガーデン、東京
「 3.3・（ひとつぼ）展」　ガーディアン　ガーデン、東京
1997「The Parcos Restaurant Award-3rd prize」　Parcos Restaurant、ロンドン
「Fine and Applied Show」　Royal College of Art、ロンドン
「The Large Edition」　Malvern Library Gallery、ロンドン
1996「The Spirit of Staircase」　Victoria & AlbertMuseum、ロンドン
「Work in Progress」　Royal College of Art、ロンドン
1995「リキテックス　 ビエンナーレ」　青山スパイラル、東京

【主な受賞】
1997The Parcos Restaurant Award、3rd prize