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東北作家5人展
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2012年 9月 06日

東北作家5人展

前年に続き2回目となります東北に在住の作家を紹介致します。ギャラリーMにて2009 '10年に展示しました加藤恒一、工藤雅敏と井上和則、菅野麻衣子、高橋洸平を加えた5人の展覧会を開催致します。精巧な細密描写で描く井上、少女を描き不思議な世界観を持つ菅野、感覚的な筆さばきで描いている高橋など、若いペインターのそれぞれの絵画の独自性を感じ取っていただけると思います。是非、この機会にご高覧ください。

(ギャラリーエム)

[作家プロフィール]
■井上 和則 Kazunori Inoue

1987年 福島県生まれ 山形在住
2011年 東北芸術工科大学芸術学部美術科洋画コース卒業

2007年 「帰ってきた芸術家たち」展 (仙台/仙台メディアテーク)
「ディスカバリー2007」展 (東京/kギャラリ―)
2008年 「不確かな位置」井上和則展 (山形/サロンマイマイ)
私は可能性を恐れながら生きている様に思う。引力とリスク、それは今私が他者に感じ、作品の中に求めるもの。その間で、求め、安堵し、縛られ、もがき、又求めながら他者や私自身の輪郭を形づくろうとする、規定してしまえばリスクを忘れることができるから。そうしてあなたを確認することを止め、自分が求めているものがあなただと思うようになる。同じ世界にいると錯覚するから、規定してしまう。やがて私は口にするのかもしれない「裏切られた」と。初対面の誰かと会った時の感覚、近づきたいと思わせる引力とそれに伴うリスク、見てくれたひとが、そうした可能性を感じ得るような存在を描きたいと思っている。
2012年7月  井上 和則


■加藤 恒一 Kouichi Kato

1980 宮城県仙台市生まれ 仙台在住
2003 東北芸術工科大学芸術学部美術科洋画コース卒業 卒業制作展優秀賞
2005 東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科芸術文化専攻洋画特別研究修了

個展
2004 『FACES COMMUNICATIONS』 東京銀座・exhibit LIVE[laiv]
2005 『one day one artist』 東京銀座・exhibit Live&Moris企画
2008 『function girl』 仙台市・cafe,dining,bar,and art PICNICA企画
公開制作『加藤恒一の模擬アトリエ』 仙台市・art room Enoma企画
2008 「function girl」 PICNICA 宮城県仙台市
2009 「empty skin」 GALLERY M 愛知県日進市
「梅香散歩」 梅香堂 大阪府大阪市

グループ展
2001 『DNAからの解放計画』 山形市・東北芸術工科大学7階ギャラリー
『芸美展』 山形市・東北芸術工科大学体育館
2002 『DNAからの解放計画Vol.2』 山形市・悠創館
『NACOM2002』(New Art Competition of Miyagi) 仙台市・せんだいメディアテーク
2003 『洋画コース卒業制作選抜展』 東京銀座・東和ギャラリー
『てつそん2003』(全国デザイン・アート系大学合同卒業制作展) 東京池袋・旧日出小学校
2004 『What\\\\\\\'s Art Gallery 小品展』 仙台市・What\\\\\\\'s Art Gallery企画
『NACOM2004』(New Art Competition of Miyagi) 仙台市・せんだいメディアテーク
2005 『TUAD Creators Exhibition 2005』 東京銀座・東和ギャラリー
『fantastic』 東京銀座・exhibit Live&Moris企画
2006 『そこにある。』 東京新川・画廊はね/Gallery d.g.企画
2008 『時絵』 仙台市・art room Enoma
2009 『Enoma × EROnoma 仙台市・art room Enoma
2011東北作家5人 展 愛知県/GALLERY M

kouichi kato web http://kouichikato.web.fc2.com/
もしも私が家を建てたなら小さな家を建てたでしょう大きな窓と小さなドアーと部屋には古い暖炉があるのよ真赤なバラと白いパンジー子犬のよこにはあなーたーあなーたーあなたがーいーてほしいー。とても良い曲で、なんというセレブ。過去。来年のことなど考えない。安定を志向しない。その時々の体験を重視する。システムから逃げ出せずとも、慣習からは抜け出せる。世界に勝手にレイヤーを追加して超プライベートな視点とルールを作り出す。自分をアップデートするために、世界に対する認識をちょっとだけカスタマイズする。それは妄想とは異なるベクトルの、現実と切断されないギリギリで最強の処方箋。副作用あり。
2012年 7月 加藤 恒一


■菅野 麻衣子 Maiko Kanno

1983年 宮城県生まれ 仙台在住
2006年 東北生活文化大学 修了

2002年 宮城県宮城野高校 美術科 卒業
2003年 せんだいアートアニュアル「明和電機賞」受賞
2006年 東北生活文化大学 生活美術学科卒業
2007年  アジア女性美術交流展に参加(韓国)
個展 「Night view」(仙台)
2008年  GEISAI#11に参加(東京)
個展「アパートに住みたい」 (仙台)
2009年  個展「ROUTINE and WONDER」 (仙台)
2010年  International Art Fair 2010(ロンドン)
個展「恋する骨」(仙台)
2011年  International Art Fair 2011(ロンドン)
個展(仙台)
Affordable Art Fair(ロンドン)
個展(仙台)
2012年 GALLERY SPEAK FOR「CHOICES FOR GIFTS 3」展に参加(東京)
Giant Robot「game over show」展に参加(ロサンゼルス)

菅野 麻衣子 HP http://maikokanno.jp/
私の作品には大抵小さな女の子が出てきます。よく「自身を描いているのですか?」と聞かれますが、そういうわけではありません。彼女たちは、私の中の住人です。彼女たちの姿を借りて、私のもう一つの世界を実現
させるように制作しています。(添付した)作品「ひかげ」についてです。画面の奥に続く曲がり角に光がさしています。3人はそれを怖がり、1人の少女を先に行かせようと押し出しています。思いもよらないような事は突然起こり得ます。例えば、死や病気、事故。恋や出産もそうです。この3人が怖がっているのは、まだ何も起こっていない日常です。私の作品は日常の中の「不安」や「恐怖」、「希望」が主題になることが多いです。夜見る夢では、あり得ないことが現実と交わって、驚くほど美しい情景になることがあります。わたしの作品は、現実の一場面を描いたものは少なくて、大抵は現実と想像をコラージュのようにまずは集収してから、ひとつの情景として再構成しています。
2012年7月 菅野 麻衣子


■工藤 雅敏 Masatoshi kudo

1982年  仙台生まれ 仙台在住
2004年  東北芸術工科大学芸術学部美術科洋画専攻卒業
「卒業制作展」優秀賞(山形美術館/山形)
「卒業制作選抜グループ展」(銀座東和ギャラリー/銀座)
2005年  「個展」(GALLERY b.TOKYO/京橋)
「トーキョーワンダーウォール公募2005」 入選(東京都現代美術館/江東区)
2006年  「東北芸術工科大学修了制作展(悠創館/山形)
「個展」(GALLERY b.TOKYO/京橋)
「個展」(Bunkamura Gallery arts&crafts/渋谷)
「トーキョーワンダーウォール公募2006」 入選(東京都現代美術館/江東区)
2007年  「グループ展」(SAN-AI GALLERY/日本橋)
「個展」(GALLERY b.TOKYO/京橋)
「個展」(蔵王画廊/仙台)
2008年  「トーキョーワンダーシード2008」 入選(渋谷)
「トーキョーワンダーウォール公募2008」 入選(東京都現代美術館/江東区)
「グループ展」(art room Enoma/仙台)
2009年  「個展」(GALLERY M/愛知)
「個展」(Re.GALLERY/仙台)
2010年  「二人展」(SAN-AI GALLERY/日本橋)
「グループ展」(馳走舎ギャラリー/山形)
「青山まつり・ライブペイント」(青山外苑前/青山)
2011年 「個展」(GALLERY M/愛知)
「個展」(fine art gallery/Hot Springs,AR/アメリカ)
2012年 「三人展」(日本キリスト教団天童教会/山形)
あらゆるところで、あらゆるときに、あらゆる植物が視界に飛び込んでくる。それがインスピレーションとなり、私の内で発想が展開していく。燃え盛るように存在する花たち。風に弾みながら、四方八方に軽快にのびる草たち。今にも動き出すかのごとく迫ってくる木々。そんな萌え広がる自然物を、絵画という仮想空間に現実世界を越えた広がりを描きたい。人や動物という存在にも興味が沸き描くようになった。多様化している現代の人間が一切の情報が無い世界に存在したら人の感情は、どのように変化するのだろう。不安やいらだち、本来の自分とは何か、人間のつよさ、よわさを画面に訴えていきたい。
2012年7月 工藤 雅敏


■高橋 洸平 Kouhei Takahashi
1987年 岩手県生まれ 山形在住
2012年 東北芸術工科大学 大学院 洋画研究領域 在籍

GROUP EXHIBITIONS

2008年 「小日高鴨吉 ドローイング展」 ペチカ雑貨店2Fサロンマイマイ 山形
2010年 「東北画は可能か?」 アートスペース羅針盤 東京

「東北画は可能か? 其ノニ~仙台編~」 art room Enoma 宮城   
「東北画は可能か? 其ノ三~山形編~」 art_izm 山形   
「東北画は可能か? 其ノ四~青森編~」 C-Lounge 青森



自分の力ではどうしようもない社会の問題に憤りを感じた時、私は絵を描きます。政治、経済、ジェンダーの問題など、知識や権力を持っている人が沢山いて、皆がそれぞれ頑張っているはずなのに一向に解決に向かわない。そんな状況を絵の中のキャラクターに投影させて、その周囲のものと戦わせ、また強引に混じり合わせ関係を結ばせていくような感覚で絵を作っています。そして最近では、私が生まれ育ち生活している東北が直面している問題に逃げずに向き合っていかなければいけないと強く感じています。絵では直接の問題解決にはなりませんが、頑張っている人を勇気づけたり応援したりする事はできると思います。絵画の役割、そしてそれを生み出す自身の役割を自覚し、真摯に絵を描き続けていきたいと考えています。2012年7月 高橋 洸平

全文提供:ギャラリーM


会期:2012年8月26日(日)~2012年9月23日(日)
時間:11:00 - 19:00
休日:月・火
会場:ギャラリーM

最終更新 2012年 8月 26日
 

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