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ジョルジュ・ルオー アイ・ラブ・サーカス展
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2012年 8月 17日

シャルル・レヴィ ≪「シルク・フェルナンド マルティール通り 夏の音楽会」ポスター≫ 1880-1900年頃 | カルナヴァレ美術館蔵 | ©Musée Carnavalet/Roger-Viollet

シャルル・レヴィ ≪「シルク・フェルナンド マルティール通り 毎晩8時半から」ポスター≫ 1880-1900年頃 | カルナヴァレ美術館蔵 | ©Musée Carnavalet/Roger-Viollet

ジョルジュ・ルオーの絵画作品の中で、サーカスのテーマは全体の 3分の1を占めています。美術史全体においても、一人の画業の中で サーカスがこれほど大きな割合で取り扱われたことはないでしょう。

ルオーは道化師を中心にサーカスにまつわる多様な人物像を描き、誰よりも優れた「道化師の画家」と呼ばれました。ロートレックやピカソなど近代画家の誰もがこの主題を取り上げるなか、ルオーがこのテーマを追求した理由は彼らとは全く異なります。彼は場末の市にかかる 安サーカスや、うら哀しい旅回りのサーカスに特別に心を寄せ、その 哀切さを通して人間本来の姿を暴き出そうとしました。「われわれは皆、道化師なのです」と自身が語るように、彼らは罪深い社会で苦悩する 人間を象徴する存在であり、彼らを描くことは人間の背負う苦悩や絶望 を問いただし、またそうした世だからこそ求められる恩寵や愛を描き出すことだったのです。

本展では、ルオーの日本初公開の絵画作品20点を含む計90点を公開!パリのルオー財団の特別協力により、サーカスを着想源にしてルオーが描いた初期から晩年までの重要な版画と絵画が一堂に集結します。また、ルオー作品の中では最大級の油彩画の3点が、日本で初めて揃って展示されます。また、ルオーが実際に見たサーカスのポスターやプログラム、当時の絵葉書やサーカス映像などの貴重な資料55点も初公開されます。19世紀末から20世紀初頭のサーカスやキャバレー文化を追いながら、ルオーの思想とサーカスとの接点を探り、ルオーがこのテーマを繰り返し描くことで何を表現したかったのかを解き明かす展覧会です。

全文提供:パナソニック汐留ミュージアム


会期:2012年10月6日(土)~2012年12月16日(日)
時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
休日:水
会場:パナソニック汐留ミュージアム

最終更新 2012年 10月 06日
 

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